村山橋

村山橋の歴史と構造

村山橋は、長野県長野市と須坂市の間を流れる千曲川に架かる、鉄道と道路の併用橋です。長野電鉄長野線と国道406号がこの橋を共有し、鉄道においては柳原駅と村山駅の間に位置しています。

橋の構造

現在の村山橋は、全長837.8メートル、車道幅3.25メートルの4車線、両側に3.5メートルの歩道、そして4.8メートルの鉄道幅を持っています。構造は、6径間の下路ワーレントラス[[橋]]と5径間の鋼連続箱桁[[橋]]を組み合わせたものです。この橋は、2009年まで下流側にあった旧橋に代わって建設されました。

大正時代の旧橋

旧橋は、大正時代に建設されたもので、全長813.62メートル、車道幅5.5メートルの2車線、鉄道幅3.8メートルでした。7連のトラス[[橋]]とコンクリート製桁[[橋]]11連、単純鋼板桁[[橋]]33連を組み合わせた構造で、開通当時は日本一の長さを誇りました。トラス[[橋]]部分のみが鉄道と道路の併用で、他の部分はそれぞれ独立した橋でした。この旧橋のトラスは川崎造船所兵庫工場で製造されました。

橋の歴史

村山橋の歴史は、明治末期に架けられた舟橋に遡ります。この舟橋は有料で、幅も狭く揺れが激しかったため、危険な橋でした。そのため、永久橋としての架け替えが計画されました。同時期に、長野市と周辺町村との合併計画が進んでおり、その中で吉田町が合併条件として長野と須坂を結ぶ鉄道を挙げました。長野市長がこれを支持し、長野市が出資して長野電気鉄道が設立されました。鉄道建設には多額の費用が必要でしたが、村山橋の架け替え計画に合わせて鉄道道路併用橋とすることで費用を抑えることが検討されました。1924年に許可が下り、1926年4月に橋が完成しました。

鉄道と道路の開通

長野電鉄の権堂と須坂を結ぶ鉄道は、橋の完成と同じ年の6月28日に開通しました。その後、長野電気鉄道は河東鉄道に吸収され、河東鉄道が長野電鉄に改称しました。道路の開通は鉄道より約1年遅れて1927年7月でした。

平成の架け替え

平成に入り、旧橋は老朽化が進み、道路が2車線で大型車のすれ違いが困難、歩道がないといった問題がありました。そのため、1990年度から架け替え工事が開始され、1998年度から本格的な工事が始まりました。2004年にまず上り2車線が開通し、旧橋と合わせて4車線が確保されました。2008年には下り2車線が開通し、旧橋は鉄道専用橋となりました。そして、2009年11月9日に現在の橋の鉄道部分が開通し、新橋全体が使用開始となりました。

参考文献

小林宇一郎・小西純一 編『信州の鉄道物語』（第2版）信濃毎日新聞社、1987年3月23日、pp.274 - 278頁。
小西純一「信濃の鉄道橋」『鉄道ピクトリアル』第595巻、電気車研究会、1994年9月、pp.52 - 56。

外部リンク

長野電鉄村山橋関連情報
長野県須坂建設事務所 - 橋梁管理者（道路部）
* 空から眺める千曲川・犀川 - 国土交通省北陸地方整備局千曲川河川事務所

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