村松健

村松健：ジャンルを超えた音楽を紡ぐピアニスト、作曲家

村松健（むらまつ けん）は、1962年5月9日生まれ、東京都出身の音楽家です。ピアニスト、作曲家として知られ、その活動は多岐にわたります。成城大学在学中の1983年にデビューして以来、独自の音楽世界を追求し続けています。現在は鹿児島県奄美市に拠点を置き、自然豊かな島での生活を通して生まれた音楽を発信しています。

ボーダーレスな音楽性

幼少の頃から、日本の民謡や島唄、クラシック、ジャズ、ブラジル音楽など、様々なジャンルの音楽に触れて育ちました。この経験が、彼の音楽の根底にあるボーダーレスな感性を育んだと言えるでしょう。CMやテレビ、ラジオ番組のテーマ曲も数多く手掛けており、その楽曲は幅広い層に親しまれています。2007年からは、アニメ『スケッチブック 〜full color's〜』をはじめとする多くのアニメ作品で劇中音楽を担当し、その才能を発揮しています。

奄美大島との出会いと音楽の変化

1991年、村松健は蝶や唄、精神世界に導かれるように奄美大島へと渡ります。島での生活は彼の音楽に大きな影響を与え、2004年には音楽制作の拠点を東京から奄美大島に移しました。島での暮らしの中で生まれたインスピレーションを元に、自身のレーベル"KeenMoon"を設立し、島から生まれたばかりの新鮮な音楽を届けようとしています。

奄美三絃の可能性を追求

2005年発表のアルバム「88+3」以降、村松健は奄美大島で伝統的に使われてきた三絃（奄美三線）に注目します。それまで伴奏楽器として扱われることが多かった三絃を、独自の奏法と音色で独奏楽器としてフィーチャーし、新たな可能性を追求しています。自ら素材を選び、改良を重ねて作り上げた三絃を駆使し、その音色を通して、島の自然や文化、人々の暮らしを表現しようと試みています。

ライブパフォーマンスとラジオパーソナリティ

村松健のライブパフォーマンスは、通常のホールだけでなく、月夜の浜辺や森の中、古寺の境内、廃校など、その場所の特性を生かした уникальный な空間で行われることもあります。近年は、季節ごとの選曲と編成による「4Seasons Live」や、奄美大島で毎年8月に開催される野外公演「うとぅぬうしゃぎむん」（島の言葉で「音の捧げもの」の意味）を中心に、全国各地でコンサート活動を展開しています。

音楽活動の傍ら、ピアノ愛好家のための月刊誌「月刊ピアノ」でフォト&エッセイを連載したり、ラジオパーソナリティとしても活躍しています。あまみエフエム「夕すだみにSLOW」、静岡エフエム放送「ミューグレ」、タッキー816みのおエフエム「Voice in the wood」の3番組を通して、音楽や日々の生活、奄美大島の魅力などを発信しています。

村松健の音楽は、自然への深い愛情と、多様な文化への敬意に満ちています。その音楽は、聴く人の心に寄り添い、安らぎと感動を与えてくれるでしょう。

もう一度検索