村田真
村田真（むらた まこと）氏は、1960年生まれの日本のソフトウェア技術者であり、工学博士の学位を持つ研究者です。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の特任教授として教鞭を執る傍ら、W3C（World Wide Web Consortium）でのXML1.0の仕様策定や、ジェームズ・クラーク氏との共同によるXMLスキーマ言語RELAX NGの設計など、国際的な標準化活動に大きく貢献してきました。
北海道旭川市出身の村田氏は、1978年に北海道旭川東高等学校を卒業後、1982年に京都大学理学部を卒業しました。1985年に富士ゼロックス株式会社に入社し、1993年から1995年の間は、米国ゼロックス社の研究所に滞在し、構造化文書の研究に携わりました。1997年には、富士ゼロックス情報システム株式会社に出向しています。
2010年からは、「EPUB日本語拡張仕様策定」プロジェクトで、電子出版フォーマットの国際化を推進し、ChromeやSafariなどのブラウザでの縦書き、ルビなどの日本語組版を可能にしました。また、2020年からは日本DAISYコンソーシアム技術委員会委員長として、EPUB書籍のアクセシビリティ向上にも尽力しています。
XML1.0とXML日本語プロファイル: 1997年、W3CのXMLワーキンググループに参加し、XML1.0の仕様を設計しました。この仕様はSGMLのサブセットであり、1998年にW3C勧告として公表されました。また、XMLで日本語文字を使用するための技術情報であるXML日本語プロファイルの作成にも携わり、これはJIS規格（JIS TR 0015:1999）およびW3Cノートとして公開されています。
XML Media Types: IETF RFC 2376（XML Media Types）の仕様策定にも関与し、XMLデータをネットワーク上でやり取りする際のメディアタイプ（text/xmlとapplication/xml）を規定しました。その後、RFC 2376を改定したRFC 3023が策定されています。
RELAXとRELAX NG: XML Schemaに対する批判的な立場から、ジェームズ・クラーク氏らと共に、より簡潔なXMLスキーマ言語であるRELAXを開発しました。さらに、TREX（Tree Regular Expressions for XML）とRELAXを基に、RELAX NGを設計しました。RELAX NGはOASISによって標準化され、ISO/IEC 19757のPart2としても規格化されています。
EPUB日本語拡張仕様策定: 2010年、日本電子出版協会でEPUB日本語拡張に関する要求仕様を発表し、その後、総務省のプロジェクトで技術責任者として、縦書き、禁則、圏点などの日本語仕様のEPUBへの適用を推進しました。また、国際言語拡張（EGLS）のコーディネータとして、EPUBの国際化にも貢献しました。
EPUBアクセシビリティ: IDPFのEPUBアクセシビリティ仕様の国際規格化を提案し、国内委員長として活動しました。2021年から2022年には、EPUBアクセシビリティJIS原案作成委員会にも携わっています。
2000年に富士ゼロックスを退社後、国際大学併任研究員と日本IBM東京基礎研究所特別研究員を兼任しました。2008年5月には日本IBMを退社し、同年9月には国際大学GLOCOMフェローとして在籍しています。2006年7月には、筑波大学システム情報工学研究科で工学博士号を取得しました。2009年11月には、日本電子出版協会CTO（技術主任）に就任し、EPUB研究会を主導しました。また、2010年からは文字情報技術促進協議会（旧IVS技術促進協議会）の副会長を務めています。現在は、ISO/IEC JTC1/SC34/WG4(OOXML)コンビーナとしても活動しています。
村田氏は、XMLや構造化文書に関する複数の著書を執筆しています。
『XML入門 HTMLの限界を打ち破るインターネットの新技術』（日本経済新聞社、1998年）
『XML and Java: Developing Web Applications, Second Edition』（Addison-Wesley Professional, 2002年）
『XMLとJavaによるWebアプリケーション開発 第2版』（ピアソンエデュケーション、2002年）
村田真のXMLブログ
村田 真のチャンネル
EPUB日本語拡張仕様策定
村田真「電子書籍フォーマットEPUBと日本語組版 日本でメインストリームにいる人間は国際標準化の舞台ではまず勝てない」『情報管理』
文書フォーマットの国際化とオープン化(2018年2月22日の文字情報技術促進協議会年次特別講演でのポジショントーク)
日本提案のISO/IEC規格
情報処理学会短期集中セミナー「ISO/IEC 23761: 2021, EPUB電子書籍のアクセシビリティのJIS化について」
日本DAISYコンソーシアム技術委員会
生い立ちとキャリア
北海道旭川市出身の村田氏は、1978年に北海道旭川東高等学校を卒業後、1982年に京都大学理学部を卒業しました。1985年に富士ゼロックス株式会社に入社し、1993年から1995年の間は、米国ゼロックス社の研究所に滞在し、構造化文書の研究に携わりました。1997年には、富士ゼロックス情報システム株式会社に出向しています。
2010年からは、「EPUB日本語拡張仕様策定」プロジェクトで、電子出版フォーマットの国際化を推進し、ChromeやSafariなどのブラウザでの縦書き、ルビなどの日本語組版を可能にしました。また、2020年からは日本DAISYコンソーシアム技術委員会委員長として、EPUB書籍のアクセシビリティ向上にも尽力しています。
主な業績
XML1.0とXML日本語プロファイル: 1997年、W3CのXMLワーキンググループに参加し、XML1.0の仕様を設計しました。この仕様はSGMLのサブセットであり、1998年にW3C勧告として公表されました。また、XMLで日本語文字を使用するための技術情報であるXML日本語プロファイルの作成にも携わり、これはJIS規格（JIS TR 0015:1999）およびW3Cノートとして公開されています。
XML Media Types: IETF RFC 2376（XML Media Types）の仕様策定にも関与し、XMLデータをネットワーク上でやり取りする際のメディアタイプ（text/xmlとapplication/xml）を規定しました。その後、RFC 2376を改定したRFC 3023が策定されています。
RELAXとRELAX NG: XML Schemaに対する批判的な立場から、ジェームズ・クラーク氏らと共に、より簡潔なXMLスキーマ言語であるRELAXを開発しました。さらに、TREX（Tree Regular Expressions for XML）とRELAXを基に、RELAX NGを設計しました。RELAX NGはOASISによって標準化され、ISO/IEC 19757のPart2としても規格化されています。
EPUB日本語拡張仕様策定: 2010年、日本電子出版協会でEPUB日本語拡張に関する要求仕様を発表し、その後、総務省のプロジェクトで技術責任者として、縦書き、禁則、圏点などの日本語仕様のEPUBへの適用を推進しました。また、国際言語拡張（EGLS）のコーディネータとして、EPUBの国際化にも貢献しました。
EPUBアクセシビリティ: IDPFのEPUBアクセシビリティ仕様の国際規格化を提案し、国内委員長として活動しました。2021年から2022年には、EPUBアクセシビリティJIS原案作成委員会にも携わっています。
その他の活動
2000年に富士ゼロックスを退社後、国際大学併任研究員と日本IBM東京基礎研究所特別研究員を兼任しました。2008年5月には日本IBMを退社し、同年9月には国際大学GLOCOMフェローとして在籍しています。2006年7月には、筑波大学システム情報工学研究科で工学博士号を取得しました。2009年11月には、日本電子出版協会CTO（技術主任）に就任し、EPUB研究会を主導しました。また、2010年からは文字情報技術促進協議会（旧IVS技術促進協議会）の副会長を務めています。現在は、ISO/IEC JTC1/SC34/WG4(OOXML)コンビーナとしても活動しています。
著書
村田氏は、XMLや構造化文書に関する複数の著書を執筆しています。
『XML入門 HTMLの限界を打ち破るインターネットの新技術』（日本経済新聞社、1998年）
『XML and Java: Developing Web Applications, Second Edition』（Addison-Wesley Professional, 2002年）
『XMLとJavaによるWebアプリケーション開発 第2版』（ピアソンエデュケーション、2002年）
外部リンク
村田真のXMLブログ
村田 真のチャンネル
EPUB日本語拡張仕様策定
村田真「電子書籍フォーマットEPUBと日本語組版 日本でメインストリームにいる人間は国際標準化の舞台ではまず勝てない」『情報管理』
文書フォーマットの国際化とオープン化(2018年2月22日の文字情報技術促進協議会年次特別講演でのポジショントーク)
日本提案のISO/IEC規格
情報処理学会短期集中セミナー「ISO/IEC 23761: 2021, EPUB電子書籍のアクセシビリティのJIS化について」
日本DAISYコンソーシアム技術委員会
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