来迎寺 (千葉市)

来迎寺（らいこうじ）は、千葉市稲毛区轟町に所在する浄土宗系の単立寺院です。その歴史は古く、鎌倉時代の1256年（建長2年）に千葉貞胤（ちばさだたね）が寺を創建し、一遍（いっぺん）を開山として、時宗の寺として開かれました。当初は「来光寺」と号し、千葉郡道場北（現在の千葉市中央区院内2丁目）に位置していました。

時宗の道場として機能し、当麻派本寺である無量光寺（むりょうこうじ）の有力な末寺として、中世における無量光寺の他阿上人（たあしょうにん）はほとんどがこの来光寺の住職を務めたとされています。

その後、天正年間（1573年-1592年）に知恩院29世・満誉尊照（まんよそんしょう）によって浄土宗に改宗されました。1945年（昭和20年）の千葉空襲により寺は大きな被害を受け、現在の轟町に移転しました。移転後、来迎寺は独立し単立寺院として運営されるようになりました。

来迎寺は春になると美しい桜が咲き誇り、地域の人々にとって桜の名所として親しまれています。また、周辺には宗胤寺（そういんじ）や大日寺（だいにちじ）など、同じように戦災によって移転してきた千葉氏ゆかりの寺院が点在しています。これらの寺院は、千葉氏の歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。

文化財

来迎寺には、千葉市指定有形文化財として以下のものが指定されています。

木造阿弥陀如来立像：13世紀後半に制作されたとされる仏像で、その姿は当時の仏像彫刻の技術を今に伝えています。
来迎寺の五輪塔：千葉氏胤（ちばうじつぐ）ら7基の五輪塔で、中世における武士の供養塔として歴史的価値があります。

交通アクセス

公共交通機関を利用して来迎寺を訪れる場合は、以下の駅が最寄りとなります。

東日本旅客鉄道（JR東日本）総武線：西千葉駅から徒歩約15分
千葉都市モノレール：作草部駅から徒歩約12分

来迎寺は、長い歴史の中で宗派を変え、戦災による移転を経験しながらも、地域の人々に信仰の場を提供し続けてきました。歴史的な文化財も多く残されており、訪れる人々に歴史の深さを感じさせる場所です。

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