東アジアの古代文化

東アジアの古代文化

『東アジアの古代文化』は、大和書房が発行していた古代史専門の歴史雑誌であり、1974年から2009年まで35年にわたり刊行されました。季刊誌として、各号ごとにテーマを設定し、1つまたは2つの特集を組んで、研究者による専門的な論文を掲載していました。

概要

この雑誌には、著名な研究者の論文が多数掲載され、編集者である大和岩雄自身も頻繁に論文を寄稿していました。また、歴史作家として知られる黒岩重吾が対談企画に登場したり、『天上の虹』で知られる漫画家の里中満智子の文章が掲載されるなど、作家や詩人の寄稿もまれに見られました。

研究論文は随時募集され、採用されたものは特集とは別に掲載されていました。さらに、「古代史情報」というコーナーでは、古代史に関するニュースが取り上げられ、「古代史通信」では、過去3ヶ月間の発掘情報が網羅的に紹介されていました。

沿革

雑誌の創刊に先立ち、1972年に鈴木武樹らによって「東アジアの古代文化を考える会」が設立されました。その後、鈴木が古代史研究雑誌の創刊を提唱し、関係者との協議の結果、大和書房から『東アジアの古代文化』が発行されることになりました。当初は鈴木が責任編集を務めましたが、後に大和岩雄が編集を引き継ぎました。

当初、雑誌は「寺子屋出版社」という会社から発行されていましたが、すぐに大和書房からの発行へと移行しました。また、「東アジアの古代文化を考える会」では内紛が発生し、鈴木が事務局長を辞任する事態となりました。

その後は、特定の学会や団体との関係を持たない商業誌として発行が続けられました。しかし、2008年に大和岩雄が入院し、体力が続かなくなったことから、2009年1月に刊行された137号をもって終刊となりました。

特徴

専門性の高い研究論文: 東アジアの古代史に関する専門的な研究論文が多数掲載されており、研究者にとって貴重な情報源となっていました。
多様な執筆陣: 著名な研究者だけでなく、作家や漫画家など、多様な分野の執筆者が寄稿していました。
豊富な情報: 研究論文に加えて、古代史に関するニュースや発掘情報など、幅広い情報が掲載されていました。

参考文献

李進熙「古代史を書きかえて三十四年」『東アジアの古代文化』第137号、大和書房、189-191頁、2009年1月。
大和岩雄「編集後記」『東アジアの古代文化』第50号、大和書房、360頁、1987年1月。
大和岩雄「［編集後記］最終刊にあたって」『東アジアの古代文化』第137号、大和書房、473-475頁、2009年1月。

関連雑誌

季刊考古学
季刊邪馬台国
文化財発掘出土情報

外部リンク

東アジアの古代文化（大和書房）
* 東アジアの古代文化（国立国会図書館デジタルコレクション）

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