東パキスタン

東パキスタンについて

東パキスタン（ひがしパキスタン、英語: East Pakistan）は、現在のバングラデシュの領土にあたる場所で、1955年から1971年までパキスタンの一部として存在していました。この地域は、インドとビルマに接し、ベンガル湾に面した地理的特徴を持っています。また、インドの西ベンガル州と区別するために「パキスタンベンガル」とも呼ばれていました。

歴史的背景

東パキスタンは、1955年に当時のムハンマド・アリ・ボグラ首相により「One Unit計画」に基づき、東ベンガル州から改名されました。この改革は、パキスタン憲法が1956年に改正されたことを受け、イギリスの植民地支配から独立した新たなイスラム共和制へと移行した一環でした。この時期、ベンガル州出身の政治家であるH. S. Suhrawardyが一時期首相として政権を担い、イスカンダル・ミールザーは初代大統領とされました。

1958年にクーデターが発生すると、アユブ・ハーン将軍が大統領に就任し、彼の政権下で民主化運動に対する弾圧が強化されました。1962年には普通選挙権を廃止する新しい憲法が成立しました。

1966年には、ムジブル・ラフマンが現れ、彼は東パキスタンの自治や民主主義を求めるシックスポイント運動を主導しました。この運動は、1969年の東パキスタン蜂起を引き起こし、さらなる変化を促す要因となりました。

自然災害と政治の変動

1970年、ボーラ・サイクロンという大規模な自然災害が東パキスタンを襲い、多くの人命を奪いました。この年、ヤヤ・カーン将軍はパキスタンで初の連邦総選挙を実施し、アワミ連盟が最多の議席を獲得しましたが、軍事政権はその結果を受け入れませんでした。この結果、東パキスタンの人々は不服従の運動を展開し、最終的には1971年にバングラデシュ独立戦争へと繋がりました。

経済と発展

経済的には、1960年から1965年にかけて東パキスタンの成長率は平均2.6％を記録し、パキスタンの全体的な輸出の多くがこの地域から行われていました。しかし、パキスタン政府は西パキスタンに資金と援助を集中させていたため、経済的不均衡が生じました。それでも、アユブ・カーン政権下では556において東部の工業化が推進され、Kaptaiダムが設置され、チッタゴンにはEastern Refinery社が設立されました。また、ダッカはパキスタンの第2の首都として位置づけられ、国会議事堂の建設が計画されました。アメリカの著名な建築家ルイス・I・カーンがその設計を手掛けました。

独立の過程

最終的に、ヘンリー・キッシンジャーの仲介によって進展した中国との外交関係の中で、東パキスタンの人々は多くの困難を抱えながらも独立を求める声を高めていきました。東パキスタンにおける大規模な虐待や人道的危機が国際的な注目を集めた結果、1971年にはバングラデシュとして独立することを果たしました。

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