東亜考古学会

東亜考古学会の歴史と活動

概要

東亜考古学会は1926年に設立された日本の学術団体で、当初は対支文化事業の一環として中国での考古学調査を目的としました。義和団の乱に関連する賠償金を背景に、関係国が文化事業を展開する中で、その一翼を担った形です。設立当初から、国際的な学術交流を目指し、中国の学術機関と連携を図っていました。

設立の経緯

1923年、原田淑人講師が日中共同での殷墟の調査を構想し、浜田耕作や島村孝三郎がその活動に賛同しました。この活動は外務省の支援を受けながら進められ、1926年には北京大学との共同で東方考古学協会を設立しました。以降、満洲を調査地として定め、日中での共同研究を進めていきました。

戦前の調査活動

戦前の活動では、主に中国大陸での発掘が行われ、1927年以降、高麗寨や単砣子、上京龍泉府、赤峰紅山後などでの調査が実施されました。また、日中の研究者が互いに講演会を開催し、留学生の派遣も行われました。最初の留学生は東大の駒井和愛で、その後も多くの学生が中華圏での学びを深めました。

戦後の活動と国内調査

戦後には、中国での調査ができなくなったため、国内に調査の焦点を移しました。この間、東京大学や京都大学のメンバーがそれぞれ、静岡県の登呂遺跡や北海道のモヨロ貝塚など多くの遺跡を掘り起こしました。調査は1940年代から1950年代にかけて展開され、特にモヨロ貝塚での継続的な研究が注目されました。

文化財返還と批判

東亜考古学会の活動は、検索された文化財の返還問題にも関連しています。過去の植民地的な考古学活動に対しての批判も存在し、その活動が日本の帝国政策と結びついていたという見解が浮上しています。2025年にはこの歴史的な文脈を再考する講演会が開催される予定です。

終息と後継団体の不在

1957年の唐津調査を最後に、東亜考古学会の組織的な活動は次第に終了しました。正式な解散年は明らかではなく、後継団体も存在しないため、実質的に活動は終息しているとされています。これにより、戦後の日本の考古学界は新たな道を歩むことになりました。

結論

東亜考古学会は、日本・中国間の学術交流を促進する重要な役割を果たしました。その歴史的背景や戦前・戦後の活動は、現在の考古学や文化財保護の議論においても大きな意味を持つものです。

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