東京イースト21

東京イースト21とは

東京イースト21は、東京都江東区に広がる大規模な複合施設です。1992年（平成4年）7月に開業し、建設から運営までを鹿島建設グループが主導しています。運営管理は同グループの鹿島東京開発が行っています。

計画の背景とコンセプト

この施設の開発地は、かつて深川地区に本拠を構えていた鹿島建設が、資材センターとして使用していた場所です。江東区が策定した基本構想において「シビックゾーン」として位置づけられたこのエリアにおいて、東京イースト21は良好な中心市街地の形成に貢献することを目指しました。その上位構想に基づき、江東地区の経済・文化発展、さらには東京東部地区全体の核となるような街づくり、施設づくりが目標とされました。

開発コンセプトには「マルチ・フォーカスセンター（国際情報通信のシティランド&コミュニティプラザ）」を掲げ、単なる商業施設に留まらず、ショッピングモール、ホテル、イベントスペース、オフィスビルなど、多岐にわたる機能が集約された都市型複合施設として整備が進められました。

事業形態と運営体制

東京イースト21の事業形態は、鹿島建設が土地と建物を所有し、グループ会社の鹿島東京開発に施設全体を一括して賃貸する方式が採用されています。そして鹿島東京開発が、各テナントに対して再賃貸を行うことで運営が成り立っています。

特にホテル事業に関しては、開業当初は鹿島建設が100%出資した鹿島ホテルエンタプライズが、鹿島東京開発からホテル部分の施設を賃借して経営を行っていました。しかし、2002年には鹿島東京開発が鹿島ホテルエンタプライズを吸収合併したため、現在ではホテル運営も鹿島東京開発が直接手がける体制となっています。

環境への取り組み

東日本大震災の発生を受け、施設全体のエネルギー利用効率向上と電源の自立性を高めるため、2012年7月には鹿島建設主導で「スマートエネルギーネットワーク」の構築が進められました。これにより、災害時を含む様々な状況下での安定したエネルギー供給体制が整備されています。

施設構成

東京イースト21は、以下の主要施設群で構成されています。

ホテルイースト21: 鹿島東京開発のホテル事業部が運営を行っていますが、ホテルのノウハウについてはオークラホテルズのグループに属しています。総客室数は404室。7つのレストランやバー・ラウンジ、大中小の各種宴会場を備えています。特に、1,800m²の広さを誇る「イースト21ホール」は、大規模な展示会や発表会、株主総会など、多様なイベントに対応できる空間として活用されています。ガーデンプールとヘルスクラブも併設されています。
イースト21タワー: 西側から南側にかけてL字型の特徴的なフォルムを持つ地上21階建てのビルです。低層部の1階・2階は店舗スペース、高層部の3階から21階はオフィスフロアとして利用されています。
イーストビジネスセンター: 開業当初の1階から4階はショッピングセンターとして計画され、ユニー（生活創庫UNY）、アピタといったスーパーマーケット、クイーンズ伊勢丹などが出店と撤退を繰り返しました。2009年11月以降は1階にサミットストアが出店し、ベーカリーカフェや100円ショップなども同フロアで営業しています。元々ショッピングセンターとして広いフロアプレートを持っていた2階から5階は、現在は大規模なオフィスフロアとなっており、シネックスジャパンなどの企業が入居しています。
イースト21プラザ: 植栽が豊かに配された開放的なオープンスペースです。施設で働く人々や訪れる人々の憩いの場となっており、広々とした空間を活かした様々なイベントも定期的に開催されています。
* イースト21・モール: レストランやファーストフードなどの飲食店が充実しているほか、内科、歯科といった医療施設、物販店、コンビニエンスストア、ATMなどのサービス施設が集積しており、利便性の高いエリアとなっています。

東京イースト21は、これらの多様な機能を持つ施設を一体的に開発・運営することで、江東区における地域経済の活性化と都市機能の集積に貢献し、東京東部エリアの核となる存在としての役割を担っています。

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