東京ジョー (アルバム)

『東京ジョー』の全貌

『東京ジョー』（とうきょうジョー、Tokyo Joe）は、1982年にリリースされた坂本龍一と渡辺香津美の共演によるコンピレーション・アルバムです。本作は、二人のアーティストの音楽的な協力と革新を示す貴重な作品となっています。特に、アルバムには坂本のソロ・デビュー・アルバム『千のナイフ』や、渡辺が主宰するバンドプロジェクト「KYLYN」のアルバムからのトラックも収録されており、多様な音楽スタイルが楽しめます。

制作の背景

『東京ジョー』は、同年に発表されたコンピレーション・アルバム『Tokyo-Paris-London-New York, Dancing Night』に含まれる楽曲「TOKYO JOE」をタイトル曲として取り入れています。この楽曲はアルバムの冒頭に配置されており、両アーティストの音楽的特徴が際立っています。また、坂本のアルバム『千のナイフ』からも数曲が選ばれ、さらに、渡辺が関与した「KYLYN」名義の作品からもトラックがピックアップされています。このように、アルバムは坂本と渡辺のクリエイティブな活動が結集した形となっています。

アルバムのリリース

このアルバムは日本国内で1982年の11月にアナログ盤としてリリースされ、その後1985年には初めてCDとしても発売されました。さらに、1990年から1991年にはアメリカやヨーロッパでもCD版が販売されました。2014年にはリマスタリングが施され、ボーナストラックが追加された『東京ジョー (+2)』が再登場しました。このボーナストラックには、坂本が作曲した「DRAGOON」と渡辺香津美の「MOVIN' NOZZLE」が含まれています。これにより、新たなリスナーにもこの作品が楽しめるようになりました。さらに、2019年にはタワーレコード限定でLP盤が再発売され、ロングセラーとしての地位を保っています。

トラックリストと収録曲の表記

本アルバムには収録曲の表示に揺れがあり、LP盤の帯には「東京ジョー」や「赤坂ムーン」といった表記が見られます。『千のナイフ』からの収録曲は、当初のLP版に基づいた名称が使用されていますが、後のCD再発版では異なる名称が優先されていることもあります。このような表記の違いは、リスナーにとって興味深い点であると言えるでしょう。

アーティストの参加メンバー

アルバムには豊富な参加メンバーが勢揃いしています。坂本龍一はキーボードやドラムス、マリンバなどを担当し、渡辺香津美はギターやベース、ボーカルで参加しています。さらに、矢野顕子や小原礼、細野晴臣、向井滋春、村上秀一、本多俊之、高橋幸宏、浜口茂外也、ペッカー、清水靖晃といった様々な音楽家たちも参加しており、それぞれが独自の音楽的な要素を加えています。あらゆる楽器とアレンジが融合し、アルバムに多彩な響きを与えています。

『東京ジョー』は、坂本龍一と渡辺香津美の芸術的なコラボレーションを通じて1980年代の音楽シーンの一端を感じさせる作品です。現代においてもその素晴らしさは色あせず、多くのリスナーに愛されています。

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