東京テレビセンター

株式会社東京テレビセンターとその沿革

株式会社東京テレビセンターは、1953年に日本でテレビ放送が始まったのと同じ年に設立された企業です。当初は映画やテレビ番組の制作を行うポストプロダクションとして活動しており、併設されたテレビスタジオで様々なプロダクションを支援してきました。

創業時の背景

創業時に東京テレビセンターは、進駐軍のための交流施設である「中央クラブ」を利用して開業しました。設立当初、同じ建物には料亭や宴会場を持つ「水光苑」があり、これが高齢者層に人気を博していました。特に、当時のスタジオがダンスホールを基にしているため、独特の雰囲気があったといいます。冷暖房付きのスタジオは珍しく、録音スタジオや撮影スタジオを装備していました。また、円谷英二監督の助言によりスクリーンプロセス装置を導入したことも、大きな特徴です。

テレビ業界への関与

1956年から1973年の間、日本テレビが東京テレビセンター内に「浜町スタジオ」を開設し、『ダイヤル110番』などの生放送を行い、これにより多くの人に知られる存在となりました。時が経つにつれ、東京テレビセンターは多くの人気テレビ番組の制作に関与し続け、業界内での地位を確保しました。

火災と再建

1985年には一度火災に見舞われ、一部施設が焼失しましたが、翌年には新しいスタジオとオフィスが整備される形で再建されました。スタジオジブリの名作である『となりのトトロ』など、多くの作品の制作を手掛けてきました。

業務の分化

1990年代にはポストプロダクション部門の業務が充実し、音響スタジオやビデオ編集スタジオが増設されました。407スタジオは日本で初めてルーカスフィルム社のTHX認定を受けた映画録音スタジオとなり、技術面でも業界をリードする存在となりました。

会社の再構築と現在

2015年には浜町スタジオが営業を終了し、その後eラーニング事業を行うキバンインターナショナルにより再び体制が見直されました。新たに設立された「PANDASTUDIO.TV」では、フルハイビジョン・4K仕様のスタジオが整備され、テレビコンテンツ制作やライブ配信に対応する新しい設備が導入されました。

2016年には東京テレビセンターの事業がPANDASTUDIO.TVに譲渡され、その後名称がIYUNO STUDIOSに変更されました。シンガポールに本社を置くIYUNO MEDIA GROUPが新たな運営を行っています。

現在の事業内容

IYUNO STUDIOSは、テレビ番組だけでなく、ネットコンテンツやライブ配信の制作にも対応しており、最新の設備を利用して多様なニーズに応えています。また、ゲームコンテンツ制作会社のMAGES.によって配信専用スタジオが新たに開設されるなど、常に変化し進化する姿勢を持つ企業として注目されています。

このように、東京テレビセンターの歴史は、戦後日本の映像産業の成長とともに深く結びついており、今日の日本の映像業界においても重要な役割を果たし続けています。

もう一度検索