東京・生活者ネットワーク

東京・生活者ネットワーク

概要

東京・生活者ネットワーク（Seikatsusha Network of Tokyo）は、東京都における地域政党であり、略称は生活者ネットや生ネなどと呼ばれています。1977年、練馬区で設立されたこの団体は、市民が参加する政治を目指し、議員のローテーション制度を導入しています。これにより、議員の在任期間は原則2期、最長でも3期に限られ、多様な人々が政治に関与できる仕組みを作っています。

ただし、この制度は必ずしも効果的に機能しているわけではなく、現職議員が離党後に再立候補して当選するケースもあり、選挙戦では公認候補が落選することもあるため、課題が残っています。生活者ネットは、神奈川ネットワーク運動などと同様の基本方針を持ち、国政においては緑の党グリーンズジャパンや立憲民主党を支持していますが、特定の選挙制度に対する姿勢には一貫性がありません。

市や区の議会では、立憲民主党や社民党と連携することもあり、世田谷区や小平市では現職与党的立場に立つことがあります。構成員の多くは女性で、議員もすべて女性であることが特徴です。また、各区・市にはそれぞれ「○○・生活者ネットワーク」という支部が存在し、議席が無い地域でもその組織は残されている場合があります。

沿革

生活者ネットの起源は1977年に遡ります。この年、練馬区で「グループ生活者」という団体が設立され、その後、1985年には東京都議選で初の議席を獲得しました。さらに、1989年には市民と共に食品安全条例の導入を求める運動を展開し、約55万筆の署名を集め、東京都の食品安全政策が進展するきっかけを作りました。この時期、生活者ネットは環境問題や消費者の権利を重視し、様々な政策を推進しました。

1995年には初めて国政候補者の推薦を行い、民主党とも連携を深めましたが、その後の選挙では都知事選などで自主投票を実施したこともあります。また、2007年に都議会議員選挙での成功を経て、その後の選挙でも成果を挙げるなどの活動を続けています。2013年には、緑の党グリーンズジャパンと政策協定を結ぶ一方で、東京都知事選では自らの候補を支持せず自主投票を実施するなど、そのスタンスは多様化しています。

近年では、2021年の都議会議員選挙において議席は減少しましたが、2023年の統一地方選では候補者を多数擁立し、32人が当選するなど、活動を活発化させています。さらに、2024年の東京都知事選では、元立憲民主党の蓮舫を支持し、新たな政治的動きを見せています。

生活者ネットは、今後も地域の政治において市民の声を反映しつつ、持続可能な社会の実現に向けて努力を続けていくことが期待されています。

もう一度検索