東京丸 (日本海軍)

東京丸の概要

東京丸（とうきょうまる）は、日本海軍に所属する運輸船で、悪天候により北海道沖で沈没した悲劇的な歴史を持っています。その艦名は日本の首都・東京に由来し、1854年にニューヨークで竣工された木造汽船「アンクルサム（UNCLE SAM）」としての長い歴史を経て、日本に渡りました。

船歴

東京丸は明治4年の1871年7月12日、イギリス人所有の船として日本の兵部省によって購入されました。購入額は160,000円で、その半分に相当する金額が現金で支払われ、残りは他の艦船との交換で充当されました。東京丸は同年9月28日に出港し、鹿児島への航海を経て、10月21日に再び品海に帰着しました。

この船は11月3日に艦隊編入され、護送艦としての役割が与えられました。特筆すべきは、明治天皇が東京丸に乗船された際の出来事で、当時の日本における海軍や運輸の重要性を示しています。

明治5年の事故

明治5年1月24日、東京丸は艦隊から除かれ、運送船として再編成されました。そして2月、開拓使からの依頼を受けて北海道へ向かうことになりました。2月29日に品海を出発した東京丸は、3月2日、北海道近海で濃霧により座礁し、沈没してしまいました。この事故によって、乗員475人は無事に救助されましたが、船体の破損により積荷の損害額は6000両にも達しました。

船長について

東京丸の船長は二人が就任しており、初代は磯辺包義大尉で、明治4年7月から8月にかけて指揮を取っていました。その後、滝山正門大尉が船長を引き継ぎ、事故の時点でこのポジションにありました。指揮官たちは、当時の日本海軍を支える重要な役割を果たしていました。

まとめ

東京丸は、日本の海軍史に名を刻む運輸船の一つで、その歴史は多くの出来事とともにあります。沈没に至った経緯や、明治天皇との関わりを通じて、東京丸の艦船としての重要性や、日本の海運業の変遷を考えることができます。海上交通の発展に寄与した一方で、自然の脅威にも直面したこの船の歴史は、今後の海軍運用や運輸政策の参考となるでしょう。

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