東京勧業博覧会

東京勧業博覧会

東京勧業博覧会は、1907年3月20日から7月31日にかけて、上野公園を主な会場として行われた歴史的な博覧会です。若干の経緯があったこのイベントですが、政府主催の内国勧業博覧会が日露戦争後の経済的な事情により延期されたため、東京府が主催する形で実現しました。この博覧会は、約680万人の来場者を集め、その盛況ぶりからも当時の人々の関心の高さが伺えます。

会場と催し物

博覧会は、上野公園を中心に、不忍池畔や帝室博物館の西側など、3つの主要な会場で開催されました。特に不忍池の夜のイルミネーションは非常に人気があり、多くの観客が集まりました。このイルミネーションは、既に過去の博覧会（第5回内国勧業博覧会）でも登場していましたが、再び人々の心をつかんでいたようです。また、ウォーターシュートや観覧車といった新しいアトラクションも評判を呼び、観覧車は後に浅草公園に移設され、さらなる人気を集めることになるのです。

文学とのつながり

興味深いことに、東京勧業博覧会は夏目漱石の小説『虞美人草』の舞台にもなりました。このように、文学と博覧会との関係もあったことから、当時の文化的な影響力も伺えます。

博覧会後の影響

博覧会終了後、第二号館は東京帝室博物館に譲渡され、「竹の台陳列館」と名付けられました。この施設は美術展会場として使用され、多くの作品が展示されることになります。こうして博覧会がもたらした影響は、単なるイベントにとどまらず、後の文化活動への架け橋となりました。

今後の博覧会

また、東京勧業博覧会の開催以降も、東京ではいくつかの博覧会が行われています。例えば、東京大正博覧会（1914年）、平和記念東京博覧会（1920年）、そして大礼記念国産振興東京博覧会（1928年）などがあります。これらの博覧会は、東京の発展や文化の発信の場として重要な役割を果たしました。

まとめ

東京勧業博覧会は、単なる展示会に留まらず、その後の東京の文化や経済に大きな影響を与えたイベントでした。680万人もの来場者を誇り、様々なアトラクションや文化的なつながりを持ったこの博覧会は、今でも多くの人々の記憶に残る存在です。

もう一度検索