東京大学大学院数理科学研究科とは？意味をやさしく解説

東京大学 大学院数理科学 研究科

東京大学大学院数理科学研究科は、東京大学の駒場キャンパスに位置し、数学及びその応用に関する教育と研究を担っています。狭義の数学だけでなく、応用数理も対象としており、多彩な分野にわたって進められています。

沿革

この研究科は、1992年に東京大学の大学院重点化政策の一環として設立されました。設立当初は理学部内にあった三つの数学関連教室—理学部数学教室、教養学部数学教室、教養学部基礎科学科第一基礎数学教室—が統合され、新たに独立した研究科として誕生しました。この時、理学系研究科から数学専攻が分離され、独自の運営が始まりました。

研究内容

研究科内では、純粋数学に加え、現象数理、数理ファイナンス、計算機数学といった数理の応用についても多くの研究が行われています。現在、研究は代数、幾何、解析、応用数理という4つの主要な分野に分かれており、それぞれが専門的なテーマに基づき、深い学問的探究を行っています。また、2003年には「科学技術への数学新展開拠点」が文部科学省の21世紀COEプログラムに選定され、さらに2008年には「数学新展開の研究教育拠点」がグローバルCOEプログラムに採択されるなど、研究活動の国際的な評価が確立されています。

教育プログラム

大学院数理科学研究科は、理学部及び教養学部とは異なる独立した部局として運営されていますが、教養学部の前期及び後期課程の数学教育や、理学部数学科の授業も担当しており、 facultyの多くは両学部にまたがって教鞭をとっています。その一環として、2005年度からは「アクチュアリー・統計プログラム」が設立され、理学部において提供されています。さらに、同年には「英語による数学研究発表・討論の能力開発」が文部科学省の支援を受けることとなり、国際的な視野を持った数学教育の促進が図られています。

研究科の組織

設立以来、数理科学専攻は唯一の専攻として設けられています。この専攻の下には、以下のような専門講座が存在します：

- 数理代[[数学]]大講座
- 基礎解析学大講座
- 大域幾何学大講座
- 数理構造論大講座
- 数理解析学大講座
- 離散数理学大講座

施設

この研究科は、教養学部と同じ東京大学駒場Iキャンパスに位置しており、関連する数学の授業も同一施設内で行われています。また、群馬県沼田市には「東京大学玉原国際セミナーハウス」が設けられており、ここでは研究セミナーや高校生向けの数学講座などが開催されています。

同窓会

この研究科と理学部数学教室の卒業生は、「東京大学理学部数学教室・大学院数理科学研究科同窓会」として連携しています。この同窓会の前身は1991年に設立された「理学部数学教室同窓会」であり、1992年の研究科設立に伴い現在の名称に変更されました。

東京大学大学院数理科学研究科