東京大学検見川総合運動場

東京大学検見川総合運動場

東京大学検見川総合運動場は、千葉県千葉市花見川区に位置する東京大学の総合運動施設です。花園町、朝日ケ丘町、畑町にまたがる広大な敷地を有し、多様なスポーツ施設を備えています。この運動場は、かつて東京大学運動会によって運営されていましたが、2020年4月1日からは民間企業のR.project社に運営が引き継がれました。

施設概要

運動場内には、以下の様な様々な施設が設けられています。

サッカーグラウンド：5面（うち1面は陸上競技施設と兼用）
陸上競技施設
野球場
アメリカンフットボール場
ホッケー場
ラグビー場
テニスコート：8面
クロスカントリーコース
体育館
セミナーハウス

また、運動場の北側には、大賀ハス通りを挟んで、旧農学部附属緑地植物実験所（現在は田無キャンパスへ移転統合）と大学院薬学系研究科附属薬用植物園が隣接しています。これらの施設では、大賀ハスをはじめとする様々なハスの品種が栽培されています。

アクセス

検見川総合運動場への主なアクセス方法は以下の通りです。

JR総武線 新検見川駅：徒歩約8分
京成千葉線 検見川駅：徒歩約15分
JR京葉線 検見川浜駅：タクシーまたはバス（バスは新検見川駅止まり、その後徒歩）

歴史

草創期（昭和13～15年）

東京帝国大学運動会（当時）は、運動場建設地として京浜沿線や板橋など複数の候補地から、起伏のある地形が総合的な利用に適していること、大学からのアクセスが良いことなどを理由に、この地を選定しました。建設にあたっては、「我々のグランドは我々の手で」をスローガンに、学生たちが勤労奉仕として建設作業に従事しました。

混乱期（昭和16～38年）

戦時中は、食糧難のため、東京大学検見川厚生農場として利用され、主に乳製品などが生産されました。戦後には、燃料不足から運動場周辺の泥炭開発が行われました。この泥炭採掘の過程で、縄文時代の丸木舟が発掘され、その後の大賀ハスの発掘へと繋がりました。また、一時期はゴルフ場として運営されていたこともあります。

大賀ハスの発見

1951年、泥炭採掘現場から弥生時代後期のものと推定されるハスの実が3粒発掘されました。植物学者の大賀一郎博士により、そのうち1粒が発芽に成功し、翌年、ピンク色の大輪の花を咲かせました。このハスは「大賀ハス」と名付けられ、現在に至るまで大切に育てられています。

発展期（昭和38年～）

1964年の東京オリンピックでは、近代五種のクロスカントリーコースとして利用されました。また、サッカー日本代表の合宿地としても知られ、1997年にJヴィレッジが開場するまでは、日本代表チームがこの地で練習を行っていました。1968年のメキシコオリンピックでは、日本代表が銅メダルを獲得し、検見川は縁起の良い場所としても知られています。

売却問題と現在

東京大学は法人化に伴う財政難から、大賀ハスを含む運動場の売却を検討しましたが、市民からの存続を求める声が上がり、現在は売却問題は収束しています。現在はボランティア団体「大賀ハスのふるさとの会」がハス見本園の管理を引き継ぎ、観蓮会の開催や蓮文化の普及活動を行っています。

地域との関わり

検見川総合運動場は、地域の小学校の遠足先として利用されたり、地域住民による観蓮会が開催されたりするなど、地域に親しまれています。また、クロスカントリー大会などのイベントも開催されています。

地理的な特徴

検見川地区はかつて沼地だったため、運動場内には起伏の大きな地形が見られます。周囲は道路で囲まれていますが、自転車で一周すると約20分ほどかかるほどの広さがあります。

脚注

参考文献：東京大学検見川総合運動場四十年史

外部リンク

東京大学による検見川総合運動場の紹介
東京大学大学院薬学系研究科附属薬用植物園

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