竹腰重丸

竹腰重丸の功績と人生

竹腰重丸（たけのこし しげまる、1906年2月15日 - 1980年10月6日）は、日本のサッカー界で非常に重要な役割を果たした人物です。彼は選手、指導者、さらにはサッカー審判員としても活躍し、東京大学や芝浦工業大学で教授として教鞭を取る一方で、日本サッカー協会の理事としても知られています。彼の人生とサッカー界への貢献を詳しく探りましょう。

幼少期と学生時代

大分県北海部郡臼杵町の海部で生まれた竹腰は、1918年に臼杵尋常小学校を卒業した後、大連に転居し、大連第一中学校に入学しました。そこで彼はサッカーに出会い、その魅力に取りつかれます。1925年には山口高等学校から東京帝国大学に進学し、同年の第7回極東選手権競技大会のサッカー日本代表チームに選出されます。特に、1926年にはア式蹴球部を率いて関東大学リーグを制覇し、東京大学のサッカー界の黄金期の基礎を作りました。

竹腰は当初は薬学科に在籍していましたが、サッカーとの両立が難しかったため、農業経済学科に転科しました。この決断が、彼のサッカー人生にどれほど影響を与えたか伺い知れます。

選手としての活躍

1930年の第9回極東選手権競技大会では、竹腰は日本代表の主将としてチームを率い、優秀な成績を収めました。東京帝大卒業後の1929年には大日本蹴球協会の理事にも選ばれ、サッカーの普及に寄与しました。サッカー一筋の生活を選択するため、帝国農会を退職し、1933年から東京帝大で体育講師となります。

特に1934年には日本代表監督を務め、1936年のベルリンオリンピックでは選手兼コーチという立場で参加しました。この経験は、彼のキャリアにおいて重要なターニングポイントとなりました。

戦後の活動

第二次世界大戦中、海軍士官として従軍した竹腰は、戦後無事に復員し、東京大学に復職します。1948年には日本蹴球協会の理事長に就任し、戦後の日本サッカーの復興に取り組みました。1951年には日本代表監督に就任し、国際大会での指導を行いました。1956年にはメルボルンオリンピック本大会に出場するなど、国内外で日本サッカーの名を広めました。

その後一時期代表の指導から離れましたが、1958年に再び日本代表監督に就任します。1959年末にはローマオリンピック予選で韓国代表に敗れ、出場を逃すという結果に終わりますが、その後も日本サッカーの発展に尽力しました。

日本サッカー界への影響

竹腰重丸は、若手指導者に代表チームの指導を委ねた後も、日本サッカー協会の理事職を長年務めました。1974年には日本サッカー協会を財団法人化するために尽力し、彼の影響力は広範囲に及びました。

1980年10月6日、東京都文京区で脳卒中により逝去した竹腰は、2005年には日本サッカー殿堂に迎え入れられました。彼のサッカーへの情熱と功績は今もなお多くの人々に称えられています。

賞と受章

竹腰重丸は、その功績により、1967年には藍綬褒章、1976年には勲三等瑞宝章を受章し、また没後の2005年には日本サッカー殿堂に選出されました。彼のサッカー界への貢献は、その後の世代にも多大な影響を与え続けています。

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