東京学芸大学附属高等学校大泉校舎

東京学芸大学附属高等学校大泉校舎（とうきょうがくげいだいがくふぞくこうとうがっこうおおいずみこうしゃ）は、過去に東京都練馬区東大泉五丁目に存在した国立の高等学校です。国立大学法人東京学芸大学が設置する附属学校であり、同大学附属高等学校の分校として運営されていました。時代の変化に伴い、隣接していた附属大泉中学校と共に再編の対象となり、最終的には附属国際中等教育学校の後期課程へと発展的に統合されました。

学校の特色

本校の最も顕著な特徴は、在籍する生徒の全員が海外からの帰国子女であった点にありました。このため、異文化背景を持つ生徒が集まる環境が形成されていました。また、生徒数が非常に少なく、全校で150名程度でした。これにより、きわめて少人数制での教育が実現しており、ホームルームクラスは10名ほど、通常の授業クラスでも20名程度の人数構成でした。この少人数を生かし、きめ細やかな指導が行われていました。

教育課程においては単位制を採用しており、一般的な高校とは異なり、一度作成した3年間のカリキュラムが固定されることはありませんでした。毎年3学期の終わりに次年度の履修計画を見直す仕組みを取り入れることで、生徒一人ひとりの進度や興味に応じた柔軟な学習が可能となっていました。さらに、国際的な視野を広げるため、必修の英語に加え、第二外国語としてフランス語、ドイツ語、スペイン語が設置されていたことも特筆される点です。

沿革

1974年（昭和49年）
7月：設立に向けた委員会が発足しました。
10月：東京学芸大学大泉キャンパス内に、東京学芸大学教育学部附属高等学校大泉校舎として開校。当初はプレハブ校舎を使用し、1学年2クラス、2学期制で授業を開始しました。
1975年（昭和50年）4月：制服が新たに制定されました。
1979年（昭和54年）4月：学期制度が3学期制に変更されました。
1980年（昭和55年）7月：プレハブ校舎の北側に新校舎が完成し、移転しました。
1982年（昭和57年）3月：学校施設としてプールが完成しました。
1984年（昭和59年）11月：校歌が制定されました。
1994年（平成6年）4月：制服が廃止され、私服での通学となりました。
1995年（平成7年）4月：再び学期制度が変更され、前期と後期からなる2学期制となりました。
2004年（平成16年）4月：東京学芸大学が国立大学法人化されたことに伴い、校名から「教育学部」の名称が外れ、「東京学芸大学附属高等学校大泉校舎」に改称されました。
2006年（平成18年）
1月：附属大泉中学校と本校を統合・再編し、附属国際中等教育学校を開校する計画が公表されました。
4月：この年から再び3学期制に移行しました。
2007年（平成19年）4月1日：附属国際中等教育学校が開校。これに伴い、附属大泉中学校の生徒募集が停止されました。
2009年（平成21年）
3月31日：附属大泉中学校が最後の卒業生を送り出し、閉校しました。
4月1日：本校は最後の入学式を行い、翌年度以降の新入生募集が停止されました（ただし、編入学については募集が続けられました）。
2010年（平成22年）4月1日：附属国際中等教育学校の第1期生が後期課程（高校段階）に進学しました。
2012年（平成24年）3月31日：東京学芸大学附属高等学校大泉校舎は、最後の在籍者が卒業したことで閉校となりました。これにより、附属大泉中学校と本校の附属国際中等教育学校への移行が完了しました。

設備

本校の校舎は、生徒が土足で入るスタイルであり、一般的な学校にあるような下駄箱は設置されていませんでした。また、敷地内に専用のグラウンドを持たなかったため、体育の授業や運動部の活動は、広々とした生徒玄関前スペースを利用するか、あるいは隣接する東京学芸大学附属大泉中学校のグラウンドを借りて行っていました。

著名な出身者

山下真理（国際連合職員）
渡辺真美（元B.B.クィーンズ、Mi-Keのメンバー）
梅原淳（鉄道ジャーナリスト）
杉山大輔（実業家）
長谷川雅（サッカー審判員）
結子（ファッションモデル）

東京学芸大学附属高等学校大泉校舎