東京臨海ホールディングス

株式会社東京臨海ホールディングスは、東京都の臨海副都心地域において、公共性の高い事業を担う第三セクター企業群を統括する目的で設立された持株会社です。正式名称は英語でTOKYO RINKAI HOLDINGS, INC.と表記されます。

設立の背景と経緯

設立は2007年1月31日です。臨海副都心地域は、古くから東京港の物流拠点として、また近年では大規模な都市開発エリアとして発展してきました。この地域における開発や運営は、これまで個別の監理団体がそれぞれの専門性を活かして推進してきましたが、時代の変化とともに新たな課題に直面するようになります。具体的には、アジア諸港の台頭による国際競争の激化に東京港がさらされる一方、臨海副都心の「まちづくり」が完成期を迎え、各団体にはより一層の効率性と効果的な事業運営が求められるようになりました。

こうした状況に対応するため、東京都は監理団体改革を推進しました。その中心的な取り組みとして、臨海地域に活動基盤を持つ複数の団体を経営統合し、一つのグループとして連携を強化する方針が打ち出されました。これにより、より迅速かつ機動的な事業運営を可能にし、各団体の連携から生まれる相乗効果を引き出すことを目指しました。このグループ化の目的は、東京港の国際的な競争力を高め、臨海副都心の開発を最終段階まで確実に推進するための体制を強化することにありました。

株式会社東京臨海ホールディングスは、この経営統合の中心となり、グループ全体の経営戦略を策定・推進する統括会社として設立されたのです。設立当初、民事再生手続き中であった東京テレポートセンター、東京臨海副都心建設、竹芝地域開発の3社については、法的な手続きを経て経営基盤が立て直された後にグループに加わる計画でした。実際に、2007年4月に民事再生手続きが終結し、これら3社は合併して新たな東京テレポートセンターとして再出発した後、正式に臨海ホールディングスグループの一員となりました。

沿革

当社の設立は、東京臨海熱供給株式会社が株式移転方式によって行いました。その後、段階的に臨海地域の主要な公共関連企業がグループに加わっていきます。

2007年1月31日：東京臨海熱供給株式会社の株式移転により設立。
2007年8月1日：株式交換により、株式会社ゆりかもめと株式会社東京テレポートセンターを子会社化。
2009年1月1日：株式会社東京ビッグサイトと東京港埠頭株式会社を子会社化。

傘下企業

現在、株式会社東京臨海ホールディングスは、臨海副都心地域および東京港の機能を支える様々な企業を傘下に収めています。主要な傘下企業は以下の通りです。

東京臨海熱供給株式会社：当社の設立母体であり、グループ発足と同時に傘下に入りました。臨海地域の施設への熱供給事業を行っています。
株式会社東京テレポートセンター：2007年4月1日に旧東京臨海副都心建設と竹芝地域開発が合併して誕生した企業です。臨海副都心の地域開発や通信事業などを手掛けています。
株式会社ゆりかもめ：臨海副都心と都心を結ぶ重要な新交通システム「ゆりかもめ」を運営しています。ただし、東京都自身も少数ながら株式を保有しているため、完全子会社ではありません。
株式会社東京ビッグサイト：日本最大級のコンベンションセンター「東京ビッグサイト」の運営会社です。東京都から株式を取得して傘下に入りましたが、三井不動産や東芝なども株式を保有しており、完全子会社ではありません。
株式会社ビッグサイトサービス：東京ビッグサイトの完全子会社であり、当社グループの連結対象となっています。
* 東京港埠頭株式会社：東京港の主要な埠頭を管理・運営する企業です。かつての東京港埠頭公社が株式会社化された際に、東京都が保有する株式の50%を取得して傘下に入れました。残り50%は東京都が引き続き保有しているため、完全子会社ではありません。

これらの企業が連携することで、株式会社東京臨海ホールディングスは、臨海副都心の機能維持・向上と東京港の発展に貢献する重要な役割を担っています。

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