東京航空輸送社

東京航空輸送社の歴史

東京航空輸送社は1928年9月、相羽有によって設立された日本の民間航空会社です。彼はわずか21歳の時に日本飛行学校を創設し、飛行士の育成を行いました。その後も自動車関連の事業で成功を収めましたが、昭和の初めに入ると外資企業に押され、事業が困難になりました。これを受け、相羽は欧米視察を行い、新たな航空の可能性を見出しました。

航空路線の発展

設立後、東京航空輸送社は1929年11月に水上機を用いた定期航空便を開設し、東京-下田間を運航開始しました。初期の機体はアブロ504という小型水上機で、乗員と乗客各1名乗りが可能でした。この運航は、週に1回往復で行われ、後に清水行きの便も追加されました。

1931年には、日本初の客室乗務員である「エア・ガール」が募集され、全国的な注目を集めましたが、彼女たちは給与の安さから間もなく退職を申し出ています。同年、逓信省の指導により、郵便輸送も開始され、事業の多角化が図られました。

事業の変遷

1935年には東京航空輸送社は株式会社へ移行し、社名も「東京航空株式会社」と改められました。その後、戦争の影響によって事業は厳しくなり、1944年には軍需省によって全役員が解任され、1945年にはGHQの指示で航空機の運用が禁止されました。

これにより、東京航空は一旦解散しましたが、創設者の相羽は1951年に再び東京航空株式会社を設立し、民間航空の復興を目指しました。彼の情熱と努力が日本の航空業界における民間企業の成長につながったのです。

保有機材と運航路線

航空会社としての東京航空は様々な機材を保有し、時には事故による悲劇も経験しました。中でも1931年に起こったハンザ水上機の事故では、機関士が命を落としており、その影響は大きかったです。具体的な機材としては、アブロ504水上機、ハンザ式水上機、愛知式AB一型水上旅客機などがありました。

運航路線については、東京鈴ヶ森（大森海岸）から伊東経由で下田、さらには清水への延長運航が行われました。このような定期便の運航開始により、観光客の増加が期待される流れが出来上がりました。

結論

東京航空輸送社は日本の航空史において重要な役割を果たした企業であり、相羽有の情熱とビジョンが礎となりました。彼の遺産は、現在の航空業界の発展に大きく寄与していると言えるでしょう。会社の成り立ちから様々な挑戦や成功を経験しながら、東京航空は日本民間航空の黎明期を支える存在となりました。

もう一度検索