東京芸術大学大学美術館

東京藝術大学大学美術館

東京藝術大学大学美術館は、茨城県取手市と東京都台東区に位置する美術館であり、東京芸術大学が持つ貴重なコレクションを展示しています。美術館は、1887年に設立された東京美術学校を母体としており、その後の歴史を経て現在の形になりました。

歴史的背景

東京芸術大学の起源は1887年に設立された東京美術学校に遡ります。この学校は岡倉天心やアーネスト・フェノロサらの努力によって、日本の美術復興を目指して創立されました。初期の教育者や学生の中には、歴史に名を刻む多くの著名なアーティストが揃いました。特に横山大観や菱田春草、下村観山などは今でも日本の近代美術史において重要な位置を占めています。

美術学校では、幅広い古美術品の収集が行われ、ジャンルを超えた多様な作品が収蔵されています。現在、コレクションには2万9千点以上の作品があり、これには歴代の卒業制作や教官の作品も含まれています。

展示施設の発展

1929年には、より多くの作品を展示するために赤煉瓦の「陳列館」が設立され、1935年には城郭風の「正木記念館」も建設されました。正木記念館は、長きにわたり校長を務めた正木直彦を称えて作られたもので、今でも重要な歴史的施設です。1970年にこれらの展示館は一般公開され、より多くの人々が利用できるようになりました。

その後、美術館としての機能を充実させるため、1994年に取手キャンパスに新たな「東京芸術大学芸術資料館取手館」が完成しました。これにより、収蔵品の保存や展示に加えて、コンサートやシンポジウムなど多様なイベントを開催することが可能となりました。建物そのものにもアートが取り込まれる「ウォールミュージアム構想」が採用され、芸術を身近に感じられる空間が整えられました。

さらに、1998年にはその名称が「東京藝術大学大学美術館」に改められ、1999年には上野キャンパスに新たな展示施設が完成しました。この上野館では、様々な特別展も開催されており、大学の収蔵品が定期的に展示されています。

収蔵品の魅力

美術館の収蔵品の中には、奈良時代の絵画資料「絵因果経」や「観世音寺資材帳」などの国宝や、重要文化財に指定された数多くの古美術が含まれています。また、近代美術の分野でも、狩野芳崖や横山大観、下村観山など、著名なアーティストの作品が数多く収蔵されています。これにより、訪れる人々は日本の美術の歴史と変遷を直接体感することができます。

利用案内

東京藝術大学大学美術館は、展覧会が開催されていない場合は閉館しています。開館時間や休館日、入館料などの詳細な情報は、公式ウェブサイトにて確認することができます。美術館は日本の文化を理解し、楽しむための重要な場所として、多くの人々に利用されています。

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