東京都中央卸売市場

東京都中央卸売市場の歴史と概要

東京都中央卸売市場は、東京都が設置・運営する公営の卸売市場です。都内には11の市場が点在し、生鮮食料品等の流通を担っています。

市場の成り立ち

その歴史は明治時代に遡ります。当時の東京府は、市場の秩序維持のため、問屋や仲買業者の数を制限しました。これにより、東京府の認可を受けた民営市場が開設され、水産物や青果物の取引が行われるようになりました。

1923年（大正12年）には中央卸売市場法が公布されましたが、同年の関東大震災により、東京市内の市場は壊滅的な被害を受けました。復興にあたり、市は在来市場の再開を禁じ、臨時の市場を築地と本所横網に設け、業者を収容しました。これが、後の東京市中央卸売市場へと繋がります。

1935年（昭和10年）、築地、神田、江東の3市場が正式に開場し、東京市中央卸売市場がスタートしました。その後、分場の開設や統廃合を経て、現在の形に至っています。

戦時中は、市場運営が統制下に置かれましたが、戦後に統制が緩和され、仲買人制度が復活するなど、市場は再編されてきました。

市場の変遷

時代とともに、市場の機能や役割は変化してきました。以下に、主な変遷をまとめます。

1935年（昭和10年）：築地本場、神田、江東両分場が開場。
1966年（昭和41年）：食肉市場が開場。
1972年（昭和47年）：板橋市場が開場、世田谷市場が開場。
1989年（平成元年）：大田市場が開場。
2018年（平成30年）：豊洲市場が開場、築地市場が廃止。

市場は、時代や社会の変化に合わせて、その姿を変えてきました。特に、近年の市場の移転や再編は、その象徴と言えるでしょう。

現在の市場

現在、東京都中央卸売市場は、都内各地に11の市場を抱えています。

豊洲市場
食肉市場
大田市場
豊島市場
淀橋市場
足立市場
板橋市場
世田谷市場
北足立市場
多摩ニュータウン市場
葛西市場

これらの市場は、それぞれ異なる特徴を持ち、都民の食生活を支える重要な役割を担っています。

市場の組織

東京都中央卸売市場は、東京都庁の組織の一部として運営されています。市場長のもと、管理部と事業部が設置され、市場運営に関する様々な業務を行っています。

関連団体

市場の運営には、東京食肉市場株式会社などの関連団体も関わっています。

東京都中央卸売市場の意義

東京都中央卸売市場は、都民の食生活を支える上で、非常に重要な役割を担っています。市場は、生産者と消費者をつなぎ、安定した食料供給を可能にする基盤となっています。また、市場は、価格形成の場としての機能も持ち、公正な取引が行われるように監視されています。

この市場の歴史と現状を理解することは、私たちが日々口にする食品がどのように流通しているのか、その一端を知る上で非常に重要です。

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