東京都交通局30形電車

東京都交通局30形電車

東京都交通局30形電車は、かつて上野懸垂線（上野モノレール）で活躍した懸垂式モノレール車両です。この車両は、老朽化したM形車両の代替として、日本宝くじ協会からの寄贈を受け、1985年（昭和60年）4月2日に運行を開始しました。

概要

30形電車の最大の特徴は、そのユニークな外観です。「子供たちに夢を与える乗り物」をコンセプトに、UFOを彷彿とさせるデザインが採用されました。車体は、前面と側面の大部分を窓が占めており、開放感あふれる空間が演出されています。窓の下端は、車内の座席面近くまで下げられ、より広い眺望を確保しました。運転台部分は、M形車両のデザインを継承しつつ、より丸みを帯びた形状となっています。

しかし、上野懸垂線の設備更新工事に伴い、30形電車は1999年（平成11年）12月18日をもって運行を終了し、その短い生涯を終えました。

走行機器

30形電車の制御装置には、当時最新鋭のGTO素子を用いた電機子チョッパ方式が採用されました。ただし、運行速度が比較的低いため、ブレーキシステムには信頼性の高い空気ブレーキが用いられました。主チョッパ装置は、関連機器とともに一つの箱にまとめられ、編成のうち片方の車両の屋根上に設置されていました。

また、冷房装置には、三菱電機製のセパレート方式（CU25S形）が導入されました。このシステムは、室外機と室内機が分離しており、8.14kW（7,000 kcal/h）の冷房能力を発揮しました。冷房モードは、送風、弱冷自動、強冷自動の3種類から選択可能でした。補助電源装置としては、定格容量20kVAの静止形インバータ（SIV）が搭載され、冷房装置が主な負荷となるため、冷房機と一体化されていました。

その他

30形電車は、その導入経緯から「宝くじ号」という愛称でも親しまれました。

脚注

注釈:

30形電車は、上野動物園モノレールで使用された車両です。
宝くじの収益金が車両の購入費に充てられました。

出典:

東京都交通局の公式資料
鉄道関連書籍、雑誌記事
* インターネット上の鉄道関連情報サイト

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