東京都交通局6500形電車 (軌道)

東京都交通局6500形電車の概要

東京都交通局6500形電車は、1954年に製造された東京都の特異な路面電車です。この車輌は、当初6000形の一部として位置づけられていましたが、様々な理由から6500形として独立した分類を持つことになりました。具体的には、車体の形状や電気機器に関する装置が6000形とは大きく異なったため、専門の6300形として認識されることになりました。

製造と設計

6500形は、特異な設計を持つ一両の電車として製造されました。当初は連結車としてトレーラーを引く任務を担う予定でしたが、信号の通過時間の問題が生じたため、その運用は見送られることになりました。このように、合意された運用の変更や設計上の課題により、6500形の運行計画は当初の期待とは異なる形で進展することになったのです。

製造の進行中、5500形電車の生産に遅れが生じたことで、当車輌に搭載されるはずだった機器が5501から5402に移されることとなり、さらに予定よりも大幅に製造が遅れる一因となりました。この遅延により、6500形電車の登場も当初の計画より遅くなってしまいました。

運用状況

6500形は、芝浦の工場の近くに位置した三田車庫に配置されており、運用終了までこの場所に所属していました。特殊な機構を有していたことから、都電1系統（上野駅-銀座-品川駅）を特に重視し、この路線以外ではわずかに2系統と37系統に運行されたことがあるのみでした。これは、6500形がその特殊性ゆえに、他の路線での運用が限られていたことを示しています。

しかし、1967年12月には都電の本格的な撤去に伴い、1系統の廃止が決定されました。これにより、6500形も同時に廃車となり、その後解体されてしまいました。残念ながら、現在ではこのユニークな車両はその姿を見ることができません。3758のような存在感を持った電車が一度消え去ったことは、東京都交通局の歴史においても特筆すべきエピソードと言えるでしょう。

まとめ

東京都交通局6500形電車は、その短い活躍歴の中で多くの困難を乗り越えつつも、特異な路面電車の一つとして記憶されています。その唯一無二の特徴や、運用における様々な経緯が、東京都の交通史における貴重な一部となっていると言えるのではないでしょうか。

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