東京都立工芸高等学校

東京都立工芸高等学校の概要

東京都立工芸高等学校（Tokyo Metropolitan Kogei High School）は、東京都文京区本郷に位置する公立高校で、主に工芸を専門とする教育を行っています。全日制課程では「アートクラフト科」、「マシンクラフト科」、「インテリア科」、「グラフィックアーツ科」、「デザイン科」の5つの学科が設置されており、夜間定時制ではデザイン科を除いた4学科があります。特に、工業系高等学校の中でも女子生徒の比率が高く、在校生の約80％が女性です。

この学校は、2007年に創立100周年を迎え、それまでに2万人以上の卒業生を輩出しています。卒業生の中には、デザイナーやエンジニアとして社会で活躍する人が多く、特にその実績が評価されています。100周年記念では、記念式典が東京国際フォーラムで行われたほか、卒業生たちの歩みを記録した「都立工芸100年の歩み」が2009年に発行されています。また、入試は東京都立高校の共通問題を基に実施され、実技試験はありません。さらに、開校以来、人間国宝を4人輩出していることでも知られています。

沿革

この学校は1906年に文部省によって設置が認可され、1907年に東京府立工芸学校として開校しました。開校当初は現在の中央区築地に位置していましたが、1923年の関東大震災で校舎が焼失し、一時的に府立第六中学校（現在の東京都立新宿高等学校）で授業を再開します。校舎が再建され、1927年に現在の場所に移転しました。1943年には東京都立工芸学校に改称され、1948年には学制改革に伴い「東京都立工芸新制高等学校」に、1950年に現在の「東京都立工芸高等学校」へと改名されました。

施設

キャンパス内には、地上9階・地下2階の校舎があり、1997年に改修されたばかりです。校舎内には学生による様々な作品や伝統工芸品が展示されており、校庭は2階にあります。また、体育館は7階にあり、室内温水プールも設置されています。特筆すべきは学校外に設置された赤いオブジェで、これは炎を象徴するもので、風で回転する仕組みになっています。オブジェの存在は一部の学生の間で様々な憶測を呼び起こし、「校長が自転車をこいで回転させている」といった説も広まっています。

著名な出身者

この学校からは、多くの著名人が輩出されています。洋画家の新道繁、映画監督の滝沢英輔、言語学者の三浦つとむ、アートディレクターの副田高行、漫画家の羽海野チカなど、各界で活躍する人々が多いです。また、学校の特色として、国際的に評価される実業家やアーティストも多く、特に工芸やデザインの分野での貢献が評価されています。

交通アクセス

交通の便も良く、JR総武線の水道橋駅からは徒歩1分、東京メトロ丸ノ内線・南北線の後楽園駅からも徒歩7分です。通学の利便性も、この学校の魅力の一つといえるでしょう。

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