東京電力荒川専用橋

東京電力荒川専用橋：隅田川に架かった送電の橋

東京電力荒川専用橋は、かつて東京都荒川区南千住六丁目と足立区千住橋戸町の間の隅田川に架かっていた橋梁です。別名、荒川電らん橋とも呼ばれていました。

概要

この橋は、1964年の東京オリンピック開催前後に建設されました。千住大橋の約150メートル上流に位置し、東京電力パワーグリッドの送電ケーブルを通す役割を担っていました。橋長は102メートル、全幅は5.5メートル。単径間の鋼製下路ランガー桁橋で、アーチの上部がバスケットハンドルのように内側に傾斜した独特の形状が特徴でした。アーチリブの高さは17メートル、橋格は特種（電らん）でした。

橋の施工は宮地鉄工所（現在の宮地エンジニアリング）が担当し、架設工法にはステージング工法が用いられました。2011年には落橋防止工が設置されましたが、耐震性の問題やメンテナンス費用の負担から、2021年に撤去されることとなりました。撤去工事は西松建設が担当しました。

周辺情報

東京電力荒川専用橋の周辺には、以下の施設や名所があります。

千住大橋駅
東京都水道局荒川営業所
荒川区立荒川ふるさと文化館
橋戸稲荷神社
素盞雄神社
浄土宗豊徳山誓願寺
天王公園

参考文献

鉄骨橋梁協会・日本橋梁建設協会, ed (1965-12-01) (PDF). 『鉄骨橋梁年鑑 昭和40年度版（第五巻）』. 城南書院. p. 120,121

関連項目

廃橋
電線路

東京電力荒川専用橋は、その独特な形状と送電ケーブルを支えるという重要な役割で、隅田川の景観の一部として親しまれていました。現在は撤去されていますが、その存在は記録として残り、語り継がれています。

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