東京-パリ

橋幸夫のヒット曲「東京-パリ」：歌謡曲と青春映画の融合

1969年12月5日、橋幸夫の106枚目のシングル「東京-パリ」が発売されました。作詞は橋本淳、作曲は筒美京平という、橋幸夫にとって二度目のタッグとなります。同年3月に発売された「京都・神戸・銀座」がヒットした流れを受け、再び二人の才能が結集した作品です。

この楽曲は、橋幸夫の当時の心境を反映していると言えるでしょう。彼はこの頃、海外旅行が香港やシンガポールといった近場から、フランスやヨーロッパへと広がりを見せていたことに着目していました。橋本淳と筒美京平はGS系の作家として知られていますが、「京都・神戸・銀座」同様、「東京-パリ」も歌謡曲寄りの曲調に仕上がっています。橋幸夫自身も、この点について、作家陣が彼との組み合わせを意識し、演歌ではなく歌謡曲調に仕上げることで、新たな挑戦を試みたと語っています。

カップリング曲の「哀愁の花びら」も、作詞を橋本淳、作曲・編曲を筒美京平が担当しており、A面と共通の豪華な制作陣となっています。

映画「東京⇔パリ　青春の条件」との関わり

「東京-パリ」は、1970年3月18日に公開された橋幸夫のデビュー10周年記念映画『東京⇔パリ　青春の条件』（松竹とワールドプロの提携作品）の主題歌として起用されました。この映画は、橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦という「御三家」が揃って出演した、唯一の作品として知られています。さらに、三田明、黛ジュンも加わり、当時を代表する五大スター共演という、豪華なキャスティングが実現しました。

映画は、橋幸夫演じる作曲家兼トランペット奏者の風間史郎を中心としたラブストーリーです。パリのエッフェル塔やセーヌ川など、美しいパリの風景が数多く描かれる一方、劇中では「東京-パリ」以外にも橋幸夫自身のヒット曲に加え、舟木一夫が「霧氷」を歌うなど、聴きどころも満載です。

スタッフは、製作に沢村国男、企画に山川豊、脚本にジェームス三木と斎藤耕一、監督に斎藤耕一、音楽に三木たかしなど、錚々たるメンバーが名を連ねています。

様々なアルバムへの収録

「東京-パリ」は、橋幸夫のベストアルバムにも数多く収録されています。代表的な作品としては、『橋幸夫 ザ・ベスト』（2012年7月25日）、『橋幸夫ベスト～盆ダンス～』（2005年11月23日）、『橋幸夫が選んだ橋幸夫ベスト40曲』（2000年10月4日）、『＜TWIN BEST＞』（1998年11月6日）などがあります。これらのアルバムを通じて、「東京-パリ」は長年に渡って聴き継がれてきた名曲として、今なお高い人気を誇っていることが分かります。

まとめ

「東京-パリ」は、橋本淳と筒美京平という二人の巨匠が手掛けた名曲であり、橋幸夫の代表作の一つとして、そして1960～70年代の日本の歌謡界を代表する楽曲として、高い評価を受けています。映画とのコラボレーションも相まって、その魅力は時代を超えて多くのファンを魅了し続けています。

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