三木たかし

三木 たかし（みき たかし）

三木たかし（本名：渡邊匡）は1945年1月12日に東京都で生まれ、2009年5月11日に亡くなりました。日本の作曲家として、多くのヒット曲を世に送り出した彼は、女優・歌手の黛ジュンを妹に持ちます。別名義として渡辺たかしでの作品も存在します。

生い立ちを振り返ると、父桂次郎の不運な職業人生の影響で貧しい家庭環境で育ちました。幼少時代には、妹と共に押入れに隠れて遊ぶことが多く、紙の鍵盤を使って音楽に親しんでいました。彼の作曲デビューは1967年で、なかにし礼の推薦により、泉アキの「恋はハートで」を作曲しました。

1968年には妹の黛ジュンに曲を提供した「夕月」が66万枚の大ヒットを記録し、これが彼の名声を確立するきっかけとなりました。翌年1969年には森山良子の歌う「禁じられた恋」が8週連続でオリコン1位を獲得。その年の『NHK紅白歌合戦』での歌唱は、彼の作品がテレビで披露される初めての機会でした。

1997年から1977年にかけては、阿久悠と共に西城秀樹に連続して楽曲を提供し、その中で「君よ抱かれて熱くなれ」や「ボタンを外せ」などがヒットしました。また、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」は、大ヒットとなり、日本レコード大賞の作曲賞を受賞。また1982年から1984年にかけて、荒木とよひさと共作で「わらべ」の楽曲も制作し、「めだかの兄妹」や「もしも明日が…。」が大ヒットしました。

さらに1988年には、人気アニメ『それいけ!アンパンマン』のオープニングとエンディングテーマを手がけ、「アンパンマンのマーチ」は子供たちに広く親しまれました。また1994年に坂本冬美の「夜桜お七」を手掛け、この楽曲も長期間のヒットを記録しました。

作曲家としてのキャリアを通じ、三木たかしは幅広いジャンルでの楽曲制作に挑戦し、多くのアーティストに楽曲を提供しました。件数にして300曲以上、数多くのヒット曲が誕生しました。

彼の音楽スタイルは、歌謡曲としての枠にとどまらず、多様な表現を試みた点が特徴的です。1988年の音楽監修や、2004年からは日本作曲家協会の理事長を務め、音楽界に大きく貢献しました。

しかし2006年に下咽頭がんが判明し、声帯の一部を切除しました。その後も音楽との関わりを続け、2009年には30年ぶりに妹の黛ジュンと共演を果たしましたが、これが彼の最後の公演となりました。2009年5月11日に他界するまで、三木たかしは日本の音楽シーンに燦然と輝く存在でした。彼の作品は今も多くの人に愛され続けています。

もう一度検索