東京HOLD ME TIGHT

東京HOLD ME TIGHT

『東京HOLD ME TIGHT』は、日本で活動する韓国出身の歌手、桂銀淑（ケイ ウンスク）によって1991年1月11日にリリースされた、彼女にとって通算8枚目のシングル曲です。このシングルは、当時桂銀淑の楽曲を多く手掛けていた東芝EMIより発売されました。

この楽曲は、全体的にブルースの雰囲気を纏いつつも、明るく響くメジャーキーのバラードとして作曲されています。桂銀淑の持つ表現力豊かな歌声と相まって、聴く者の心に深く響く作品に仕上がっています。

楽曲制作は、作詞を大津あきら、作曲を浜圭介、そして編曲を若草恵という布陣で行われました。このチームは、表題曲である「東京HOLD ME TIGHT」だけでなく、シングルにカップリングとして収録された楽曲も手掛けています。

作曲者の浜圭介は、桂銀淑が日本で歌手活動を開始した際のデビュー曲「大阪暮色」以来、実に8作品連続で彼女のシングルA面曲の作曲を担当してきました。しかし、『東京HOLD ME TIGHT』のリリースを最後に、浜圭介が桂銀淑のシングル曲を手掛ける連続性は一旦途切れることになります。彼らのコラボレーションが再びシングルとして陽の目を見るのは、本作から約2年後の1993年に発表された「アモーレ 〜はげしく愛して〜」まで待つことになります。この点において、『東京HOLD ME TIGHT』は、桂銀淑と浜圭介という長年のタッグにとって一つの節目となった楽曲とも言えるでしょう。

シングルには、表題曲の他に「OSAKA物語」がカップリング曲として収録されています。こちらも「東京HOLD ME TIGHT」と同様、作詞は大津あきら、作曲は浜圭介、編曲は若草恵が担当しました。特に「OSAKA物語」は、当時、ハウス食品のCMソングとしてタイアップされ、テレビを通じて多くの人々に聴かれる機会を得ました。

リリースから時を経て、『東京HOLD ME TIGHT』は他のアーティストによってカバーされています。例えば、日本のタレントであり歌手の錦織一清が、自身の音楽活動の一環としてこの楽曲を取り上げています。錦織一清によるカバーバージョンは、2023年4月26日に発売された彼のアルバム『歌謡 Style Collection』に収められています。このように、時代を超えて異なるアーティストに歌い継がれることで、楽曲の魅力が再確認されています。

『東京HOLD ME TIGHT』は、日本の音楽シーンにおいて多様なヒット曲が生まれた1991年に発表された作品の一つとして、桂銀淑のキャリアにおける重要な位置を占めています。ブルースを取り入れたバラードという独自のスタイルは、当時の歌謡曲の中でも異彩を放つものでした。

もう一度検索