東北労災病院

東北労災病院

独立行政法人労働者健康安全機構 東北労災病院（とうほくろうさいびょういん）は、宮城県仙台市青葉区台原に所在する、独立行政法人労働者健康安全機構によって運営されている総合病院です。労働者の健康管理や職業病対策という設立目的を持ちながらも、地域医療の中核を担う医療機関として、高度な医療を提供しています。

沿革

東北労災病院の歴史は、1954年（昭和29年）1月25日に、現在の場所に病床数50床の病院として始まったことに遡ります。医療体制の拡充が図られ、1960年（昭和35年）には総合病院としての認可を取得しました。その後、建物の近代化や規模拡大が進み、2003年（平成15年）には新病棟が完成。この時点で病床数は500床を超え、地域の基幹病院としての体制を確立しました。

診療体制

当院では、幅広い専門分野の診療科目を設置し、多様な疾患に対応しています。主な診療科目は以下の通りです。

内科
呼吸器内科
呼吸器外科
消化器内科
循環器内科
心療内科
リウマチ科
小児科
外科
整形外科
脳神経外科
皮膚科
泌尿器科
産婦人科
眼科
耳鼻咽喉科
リハビリテーション科
放射線科
麻酔科
歯科

これらの診療科が連携し、患者さん一人ひとりに合わせた医療を提供しています。

勤労者支援・専門機能

労働者医療を設立の理念とする病院として、一般診療に加え、勤労者の健康維持・促進に資する専門的な施設や機能を有しています。

勤労者メンタルヘルスセンター
人間ドック
高圧治療室
勤労者心の電話相談
健康診断部
働く女性のための外来

これらの施設・機能を通じて、働く人々の健康問題全般に対応し、より良い労働環境の実現に貢献しています。

医療機関指定等

東北労災病院は、その医療機能や地域での役割が認められ、様々な公的な指定を受けています。

保険医療機関
救急告示医療機関
災害拠点病院
外国医師臨床修練病院
臨床研修指定病院
地域医療支援病院
がん診療連携拠点病院

これらの指定は、高度・専門医療から救急、災害時対応まで、幅広い医療ニーズに対応できる能力を示しています。

関連施設

病院の機能補完や医療人材育成のため、関連施設も設置されています。

東北労災看護専門学校: 将来を担う看護師の育成を行う教育機関。
東北労災病院治療就労両立支援センター: 病気や怪我を抱える労働者が治療と仕事を両立できるよう支援。
宮城産業保健総合支援センター: 産業保健活動に関する専門的な支援を提供。

その他の施設

病院の利便性向上に資する施設として、建物内に郵便局が設置されています。

仙台台原郵便局: 2007年より病院1階で業務を行っており、来院者や職員の郵便業務に対応しています。

交通アクセス

東北労災病院へは、多様な公共交通機関を利用してアクセスが可能です。

鉄道・地下鉄:
仙台市地下鉄南北線：台原駅より徒歩約5分。
JR仙山線：北仙台駅より徒歩約13分。
バス:
仙台駅前22番・23番のりばから、黒松団地または泉中央駅方面行きに乗車、「台原入口」バス停で下車。
仙台駅バスプール2番・3番のりばから、宮城大学または宮城学院前方面行きに乗車、「台原入口」バス停で下車。
仙台市営バス台原駅発、虹の丘団地入口経由八乙女駅行きに乗車、「労災病院前」バス停で下車。
* 仙台市営バス仙台駅発、台原駅・宮町経由瞑想の松循環に乗車、「瞑想の松」バス停で下車。

複数のバス路線や駅からのアクセスが可能であり、様々な方面からの来院が容易です。

仙台医療圏における病院再編構想

仙台医療圏においては、医療提供体制のさらなる充実と効率化を目指し、病院再編に関する議論が進められてきました。2020年（令和2年）8月からは、宮城県、東北大学、日本赤十字社、独立行政法人労働者健康安全機構、宮城県立病院機構の5者による協議体が中心となり、具体的な検討が行われています。

この再編構想の中で、東北労災病院に関しては、宮城県立精神医療センターを合築した新たな施設を、現在の仙台市青葉区から富谷市に移転させる案が検討されていました。これは、医療機能の集約化や患者ニーズへの対応力強化を目的としたものでした。

しかしながら、2025年（令和7年）5月9日に、この富谷市への移転計画を断念することが報じられました。建設費の高騰やその他の様々な課題が、移転計画の見直しを迫ったものと推測されます。今後の病院再編の具体的な方向性については、引き続き関係者間で協議が進められる見通しです。

東北労災病院は、今後も仙台市青葉区の現在地において、勤労者医療と地域医療の両面で重要な役割を担っていくことが期待されています。高度・専門医療、救急・災害医療、そして働く人々の健康支援を通じて、地域の医療体制に貢献し続けるでしょう。

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