東北大学総合学術博物館

東北大学総合学術博物館：学術資源の宝庫と未来への展望

東北大学総合学術博物館は、東北大学が誇る貴重な学術資料を収蔵・公開し、研究活動に役立てることを目的として設立された機関です。東北帝国大学時代から蓄積された、約242万点にも及ぶ膨大なコレクションは、標本、考古資料、地図、歴史的発明品など多岐に渡ります。これらの資料は、当初学内各所に分散して保管されていましたが、総合的な管理、研究教育への活用、そして社会への還元を図るため、1998年に総合学術博物館が発足しました。

しかし、博物館専用の建物がすぐに建設できるわけではなく、既存の理学部自然史標本館が暫定的な拠点となりました。2002年には仙台商業高校跡地への新博物館建設が決定されましたが、後に計画は撤回され、現在も理学部自然史標本館を拠点として活動を続けています。そのため、常設展示は自然史や地理などに限定され、他の分野の資料はWebデータベースや図録、特別展などで公開されています。常設展示も、スペースの制約から規模が限られています。

貴重なコレクションの数々

総合学術博物館が誇るコレクションは実に多様です。その一部をご紹介しましょう。

古生物標本: 太古の生物の姿を今に伝える貴重な標本群。地質学研究の重要な資料です。
岩石・鉱物標本: 地質学、鉱物学研究の基盤となる、多様な岩石や鉱物の標本。
考古学資料: 東北地方の歴史を紐解く手がかりとなる、貴重な考古学遺物。
チベット造形コレクション: チベット文化の奥深さを伝える、独特の造形美を持つコレクション。
日本陸軍作成の外邦図: 太平洋戦争以前の日本陸軍参謀本部陸地測量部作成の地図コレクションは、約7万点、1万2千種類にも及び、日本最大規模を誇ります。歴史的、地理的にも非常に貴重な資料です。
金属学・金属工学コレクション: 金属材料に関する歴史と技術発展を示す、重要なコレクションです。

これらのコレクションは、学術研究のみならず、一般市民への教育、啓蒙活動にも役立てられています。

未来への展望

総合学術博物館は、現在も将来の専用博物館建設を目指して活動を続けています。公式ホームページには、理想的な博物館の姿を描き、充実した展示計画が公開されています。新博物館が完成すれば、現在以上に多くの資料を公開し、より充実した教育・研究活動拠点となることが期待されます。

アクセスと情報

常設展示は、東北大学理学部自然史標本館で行われています。アクセスは、るーぷる仙台「理学部自然史標本館前」バス停、または仙台市地下鉄東西線青葉山駅から徒歩3分です。特別展は、大学内外で開催されるため、公式ホームページで確認する必要があります。

東北大学総合学術博物館は、東北大学の学術研究の成果と歴史を凝縮した、貴重な資源の宝庫です。将来の博物館完成によって、その魅力はさらに増すことでしょう。

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