東南部アフリカ市場共同体

東南部アフリカ市場共同体（COMESA）の概要

東南部アフリカ市場共同体（COMESA）は、1994年に設立された東南部アフリカ地域の自由貿易協定です。ザンビアの首都ルサカに事務局を置き、19カ国が加盟するアフリカを代表する経済共同体の一つとして、地域経済の活性化に貢献しています。COMESAの前身は、1981年に設立された特恵貿易地域であり、その後、より広範な経済統合を目指してCOMESAへと発展しました。

COMESAの主要な目的は、加盟国間の貿易障壁の撤廃、関税や非関税障壁の削減を通じた貿易自由化、投資環境の改善、経済協力の推進です。これにより、加盟国間の貿易促進、経済成長、貧困削減を目指しています。具体的には、以下の様な活動に力を入れています。

貿易自由化: 関税や非関税障壁の削減、原産地規則の簡素化などを通じた貿易の円滑化を推進しています。
経済統合: 域内インフラ整備、輸送システムの改善、金融システムの統合などを通じた経済的連携強化を図っています。
投資促進: 外国直接投資の誘致促進、投資環境の整備などを通じて、域内経済の活性化を目指しています。
観光産業振興: 加盟国間のビザ制度の共通化など、観光客の移動を容易にする施策を検討しています。
税関手続きの簡素化: 貿易手続きの迅速化と効率化を目指し、税関手続きの簡素化を進めています。
輸送行政の改善: 域内輸送インフラ整備や輸送システムの改善などを通じて、物流の効率化を図っています。

COMESAは、2008年には東アフリカ共同体（EAC）や南部アフリカ開発共同体（SADC）と共に、アフリカ広域自由貿易協定（AFTA）の創設にも参画しました。これは、アフリカ大陸全体での自由貿易を促進するための重要なステップとなりました。ただし、これはアフリカ大陸自由貿易協定（AfCFTA）とは別個のものです。

COMESAの設立以降、加盟国間の貿易は増加し、経済統合が進展しました。しかしながら、依然として、インフラ整備の遅れ、貧困、政治不安などの課題が残っています。COMESAはこれらの課題に対処するために、様々な政策を展開し、持続可能な経済発展を目指しています。

COMESAの沿革

1981年：東部アフリカ地域に特恵貿易地域が設立
1994年：東南部アフリカ市場共同体（COMESA）設立
2000年：9カ国間で自由貿易協定調印
2004年：ルワンダとジブチが自由貿易協定に参加
2006年：コモロとリビアが自由貿易協定に参加
2008年：COMESAがアフリカ広域自由貿易協定に参加
* 2009年：セーシェルが自由貿易協定に参加

COMESAは、アフリカの経済統合を推進する上で重要な役割を果たしており、今後とも、域内経済の発展に大きく貢献していくことが期待されています。その活動は、アフリカ連合（AU）の目指すアフリカ統合の取り組みとも密接に関連しています。

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