東アフリカ共同体

東アフリカ共同体 (EAC) の概要

東アフリカ共同体（East African Community、略称: EAC）は、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、南スーダン、コンゴ民主共和国、ソマリアなど、東アフリカの諸国によって結成された地域的な共同体です。共同体は地域の経済統合や協力を促進し、将来的には一体化した地域を目指しています。その本拠地はタンザニアのアルーシャ市に位置しており、ここに事務局も設置されています。

歴史的背景

東アフリカ共同体は、1967年に設立されました。当時、タンザニアのジュリウス・ニエレレ、ケニアのジョモ・ケニヤッタ、ウガンダのミルトン・オボテの3人の指導者が東アフリカ協力条約を締結し、共同体の基盤となる枠組みを作りました。しかし、1977年にケニアが多くの議決権を求めたことで、共同体は崩壊します。その後、1978年にはウガンダとタンザニアが戦争状態に陥り、東アフリカ協力は事実上の終息を迎えました。

1980年代初頭には、タンザニアが南部アフリカ開発調整会議（SADCC）を設立し、地域統合の動きは一時的に停滞しました。しかし、2000年に地域の情勢が安定したことを受け、ケニア、タンザニア、ウガンダの3か国によってEACが再結成されました。再設立後は、再びアルーシャがその本拠地となります。

成長と拡大

2005年に関税同盟が発足し、2007年にはルワンダとブルンジが新たに加盟し、加盟国は5カ国に増えました。その後、南スーダンが加入を希望し、2016年に正式な加盟が承認されました。さらに2022年3月にはコンゴ民主共和国が、2023年11月にはソマリアが共同体に加わることが決定しました。このように、EACは拡大を続けており、現在では8カ国から成る組織となっています。

経済的な取り組み

2008年10月には、東南部アフリカ市場共同体や南部アフリカ開発共同体とともにアフリカ自由貿易地域を設立しました。これは地域の貿易を進展させ、経済的な結びつきを強化するための重要な取り組みです。また、EACは2023年1月に、加盟国間での単一通貨を近い将来において発行することを決定しました。さらに、東アフリカ通貨研究所の設置と単一通貨発行のためのロードマップの策定が求められています。

結論

東アフリカ共同体は、地域の発展に向けた重要な枠組みとして、経済的な統合を推進しています。共同体の活動は、加盟国間の協力を深め、安定した経済環境の創出へとつながるでしょう。地域統合の進展に期待が寄せられる中、EACのこれからの展開に注目が集まっています。

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