東堀通

東堀通（ひがしぼりどおり）

新潟市中央区に位置する市道、およびその沿道に広がる町域の名称。町名としては東堀通1番町から東堀通13番町までが定められているが、住居表示は未実施の区域である。この地域の郵便番号は951-8065。

概要

東堀通は、1872年（明治5年）に新潟町の町域が再編成された際、片原通や古洲崎町の一部を改称して誕生し、それ以降現在に至るまで町名として存続している。名称は、かつてこの通りに沿って流れていた「東堀」、別名「片原堀」に由来する。

地理

信濃川が河口に近づく左岸に位置し、新潟市の中心市街地である古町通の東側に並行して南北に延びる主要な道路である。道路は片側2車線で整備されている。通りの南端、白山神社に近い側を起点とし、北へ向かって1番町から13番町まで番号が振られている。沿道の町名は、道路の西側が「東堀通」、東側が「東堀前通」と区分されている。これは、かつて堀の両岸にあった道がそれぞれ異なる名称で呼ばれていた名残である。東堀通と直交する細い道は、古くからの慣習により「小路（こうじ）」と呼ばれている。

この地域は、古町通や本町通といった新潟を代表する通りとともに、かつてより新潟町の中心部として繁栄してきた歴史を持つ。現在も、第四北越銀行本店や新潟中郵便局といった主要な施設がこの通り沿いに位置し、新潟市の業務・商業の中心地としての役割を果たしている。

歴史

東堀通の名称の元となった片原堀（片原川とも称された）は、1654年（承応3年）に新潟町が現在地へ移転した際、西側に整備された寺町堀（現在の西堀通）と並行して開削された掘割である。この堀は信濃川に沿って緩やかに湾曲しながら流れており、自然の河川を活かして整備されたという説も伝わる。堀からは信濃川へ向かう水路が5本（白山堀、新津屋小路堀、新堀、広小路堀、御菜堀）掘られていた。

堀の西側、すなわち現在の東堀通にあたる地域には、早い時期から多くの店舗が軒を連ねた。通りのほぼ中間点にあたる現在の東堀交差点付近には、町の運営に関わる町会所が置かれていたことも記録されている。通りに直交する小路には、通常、表間口が並ぶことはなかった。しかし、通りの南側にある片原通と古町通を結ぶ小路には例外があり、堀で船を操る小揚（こあげ）たちの小さな間口の家が並び、「小揚小路」と呼ばれていた時期がある。

時代が下り、1872年（明治5年）10月には、片原堀が「東堀」と改称された後、埋め立てが進められた。堀の埋め立て跡に整備された通りが、「東堀通」と命名されたのである。東堀通は長らく、西堀通に対抗する形で4車線の一方通行道路として運用されていたが、2008年（平成20年）7月24日には道路構造が変更され、現在の片側2車線の対面通行となった。

町名としての東堀通は、1872年（明治5年）の町域改編を機に成立した。その後、1879年（明治12年）には新潟区の町丁となり、1889年（明治22年）の市制施行により新潟市の町丁へ、さらに2007年（平成19年）の政令指定都市移行に伴い中央区の町丁として位置づけられている。

歴史的な変遷を経て、東堀通はかつての堀の記憶を宿しながら、現在も新潟市の中心を担う重要な通りであり続けている。

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