東大川

東大川の概要

東大川（ひがしおおかわ）は、長崎県諫早市の西部を流れる二級河川で、最終的に大村湾の奥へと流れ込んでいます。この川は故郷の重要な水路であり、諫早市では本明川に次ぐ規模を持っています。特に、津水町に位置する河口は、歴史的にも重要な貿易拠点の一つであり、江戸時代においては津水港として栄えました。

流域の特徴

東大川の水源は、本流が諫早市の飯盛町にある八天岳の北麓に位置しています。ここから流れ出た水は丘陵地を北へと進み、上・中流域には多くの水田が広がる豊かな自然環境が広がっています。特に、西から流れ込む楠原川には、1986年に建立された土師野尾ダムがあります。このダムは多目的な役割を果たし、流域面積や貯水量を持つ重力式コンクリートダムです。

下流に進むと、川幅が広がり、護岸が数メートルの高さで両岸を固めています。西岸には工業団地が整備され、東側には西諫早ニュータウンがあります。国道34号や長崎本線がこの地域を通り、交通の要所ともなっています。津水町を越えると、北部の諫早市真崎町や大村市今村町からの支流が合流して、さらに大村湾の最奥部へと流れゆきます。下流域は都市部に位置し、陸地の両側には丘陵が迫り、自然環境も残されていますが、大村湾最奥部のため水質はあまり良好ではありません。

歴史ある河口

江戸時代の大村湾沿岸は、平戸藩と大村藩の領土が交錯していましたが、東大川の河口近くに位置する津水町は、諫早藩の交易拠点として重要な役割を果たしていました。この地域からは、北九州との交易が盛んに行われ、特に津水港は貿易の中心地となりました。しかし、河口の水深が浅くなったことで利用価値が低下し、周辺の環境も変わっていきました。

現在、東大川の河川改修やインフラ整備が進み、都市化が進んでいます。津水町は穏やかな住宅街となり、えびす像などの名残が残っていますが、かつての活気は失われました。また、隣接する横島にはかつて唯一の海水浴場がありましたが、沿岸の汚染が進み、1970年代に使用禁止となりました。今では、諫早市は他の海水浴場を造成し、地域の観光資源として活かしています。

まとめ

このように、東大川は地元の歴史や自然に密接に関わっています。河川を通して、地域の発展を支えてきた過去を持ちながら、現代の都市としての姿も併せ持っています。今後もこの川が地域にとって重要な存在であり続けることが期待されています。

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