東大法文1号館爆破事件

東大法文1号館爆破事件

東大法文1号館爆破事件は、1977年5月2日に東京都文京区の東京大学法文1号館で発生した爆弾テロ事件です。新左翼活動家であった加藤三郎が実行しました。

背景

東京大学は、明治時代から日本の発展に貢献する多くの人材を輩出してきました。しかし、加藤は東大を「日本国家の侵略、抑圧、搾取を正当化する精神的支柱」と捉え、特に東大農学部が北海道に所有する演習林を、アイヌ民族への侵略の象徴と見なしていました。そのため、東大の爆破を決意するに至りました。

事件の概要

1977年5月2日午後2時10分頃、東京大学法文1号館3階26番教室前の階段踊り場で爆発が発生しました。爆発により窓ガラスやドアが吹き飛ばされ、当時26番教室で行われていた法学部の授業「フランス法」に出席していた学生3名が負傷しました。現場の状況から、消火器爆弾が使用されたと断定されました。

事件後、加藤は「世界革命戦線・大地の豚」という名義で犯行声明文をマスコミに郵送しました。声明文では、「東大及び東大的なものの解体を要求する」と主張していました。「大地の豚」という名称は、「大地の牙」をもじったものであり、「文明人の価値観」に対するアンチテーゼとしての意図が込められていたとされています。

事件後

加藤三郎は、この事件に関する自身の思想や主張をまとめた書籍を出版しています。

参考文献

『朝日新聞』1977年5月3日朝刊
『読売新聞』1977年5月3日朝刊
加藤三郎『意見書 「大地の豚」からあなたへ』思想の科学社、1992年

関連項目

新左翼
日本原住民論
反日亡国論
* 世界革命論

この事件は、日本の新左翼運動における過激な思想と行動を示す一例として、歴史に刻まれています。また、大学という知の府に対する暴力という点で、社会に大きな衝撃を与えました。

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