東太后

東太后について

東太后（とうたいこう・とうたいごう、道光17年7月12日（1837年8月12日） - 光緒7年3月10日（1881年4月8日））は、清王朝の咸豊帝の皇后で、満洲の鑲黄旗出身です。彼女の正式な姓はニオフル（鈕祜禄）氏であり、父は広西の官吏である穆揚阿、母は妾の姜佳氏です。彼女は夫を失った後、母后皇太后として紫禁城の東部、鍾粋宮に居住したためこの名で知られています。

彼女の正式な諡号は孝貞顕皇后ですが、生前にしばしば呼ばれた称号は慈安皇太后であり、諡号と合わせると孝貞慈安裕慶和敬誠靖儀天祚聖顕皇后となります。

生涯の初め

東太后は咸豊帝の先妻である孝徳顕[[皇后]]が咸豊帝即位前に亡くなったため、継妻に内定されます。咸豊2年（1852年）2月に後宮に入ると、最初に妃嬪の第4位である貞嬪に任じられ、次第に貞妃、そして同年6月には皇后に昇格しました。このとき彼女はわずか16歳で、多くの面で皇帝の養母である孝静成[[皇后]]の意向が影響を与えていたようです。

彼女は一度も子を産まず、最終的に懿貴妃の子である載淳が皇位を継承しました。咸豊10年（1861年）には咸豊帝が熱河で病死し、同治帝の即位に伴う政局の変化が起こります。蔭で政権を握る西太后が懿貴妃と共に新たな権力を奪取し、より幼い同治帝を指導する必要から、東太后と西太后が並んで政治に関与します。

政治における影響

東太后はその性格から温和で誠実な人物として知られ、実際に政治に直接関与することは少なかったとされています。しかし、彼女は必要に応じて毅然とした決断を下すこともありました。特に有名なエピソードには、宦官の安徳海を処刑した事件があります。安徳海は西太后に取り入って傍若無人な行動をとっていたため、東太后は彼に対して毅然とした対応を取りました。このことから、彼女が西太后の指示にただ従っていたわけではないことが分かります。

同治帝が急死した後も、東太后は高い影響力を持ち続けましたが、光緒帝の治世においては西太后と共に権力を巡り、幾度かの対立がありました。

急死とその謎

東太后は光緒7年（1881年）3月10日に急病を訴えました。医師による治療を受けましたが、状況は悪化し、同日深夜に崩御することとなりました。享年45歳でした。彼女が健康であったことや、急死の様子から、後に西太后による毒殺の可能性が囁かれることとなります。

公式な発表では風邪のような症状が原因とされていますが、同時に多くの人々が彼女の死に西太后が関与しているのではと疑念を抱いていました。この急死によって、清王朝の政治に大きな変化がもたらされました。

埋葬とその後の影響

東太后は清東陵にて埋葬されました。彼女の死は時代の変わり目を象徴する出来事となり、後の清王朝の行方にも影響を与えました。これを受けて、光緒帝は新たな政治環境の中でさまざまな試練に直面し、その後の清の運命にも大きな影響を与える結果となります。

もう一度検索