紫禁城

紫禁城（しきんじょう）について

紫禁城は、中華人民共和国の首都である北京市にある非常に重要な歴史的建築物で、明と清の二つの王朝の皇室専用の宮殿です。別名「故宮」とも呼ばれ、「古い宮殿」や「昔の宮殿」という意味があります。この場所は、世界最大の木造建築群として知られており、広さは72ヘクタール以上もあります。ユネスコの世界遺産にも登録されており、その価値は国内外で高く評価されています。

歴史的背景

紫禁城の建設は1406年に始まり、1421年に完成しました。元王朝時代の大都宮殿の位置に新たに建設されたもので、資材や人手を惜しむことなく、多くの職人と労働者が関わっていました。当初、明王朝の洪武帝による命令で元王朝の宮殿が取り壊され、その跡地に今の紫禁城が造られました。明から清への王朝交替を経て、約500年間にわたり中国の皇室の生活の中心として利用されてきました。

1644年、明朝末期の混乱期に李自成の軍に占領され、一時的に火災に見舞われましたが、清王朝はその後紫禁城を修復し、伝統的な漢民族の建築様式と満洲族の特徴を融合させた独特の宮殿を形成しました。

建築の特徴

紫禁城は、南北961メートル、東西753メートルの構造で、980以上の建物が立ち並んでいます。周囲は幅52メートルの水堀に囲まれ、城壁の高さは12メートルです。南側には午門、北側には神武門などの主要な城門があり、文化的な象徴となっています。

紫禁城の内部には、皇帝やその家族の居住空間、政務を執る場所、儀式を行うための建物など、機能ごとに分かれた複数のエリアがあります。重要な建物には、太和殿、中和殿、保和殿の三殿があり、これらは外朝の中心的な役割を果たしています。特に太和殿は、皇帝の即位式や重要な儀式が行われ、現存する中国最大の木造建築であることでも知られています。

故宮博物院とその重要性

紫禁城は、清王朝が滅亡した後も、文化的価値が絶対的に高いという理由から、多くの人々にとって重要な訪問先となりました。1925年には故宮博物院として開館し、広大な敷地内には数多くの文化財が収蔵されています。現在の収蔵品は180万点に上り、その多くは清朝時代のもので、国際的な注目を集めています。

この博物館では音声ガイドサービスも提供されており、多言語対応の案内が受けられ、その中にはエスペラント語も含まれているため、多国籍の観光客が訪れ頒布活動が行われています。さらに、北京と瀋陽の明・清王朝の皇宮は、ユネスコの世界遺産に登録されています。

現在の紫禁城

紫禁城の周血は観光地としても知られ、世界中から多くの観光客が訪れます。故宮内には売店や食堂があり、観光業には欠かせない要素を提供しています。この場所は、歴史を物語る貴重な文化遺産として、一般市民だけでなく学術的に興味を持つ多くの研究者や観光客にとっても重要です。

そのため、紫禁城は単なる観光地としての役割にとどまらず、中国の文化や歴史を理解するための重要な拠点となっています。

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