安山岩

安山岩（あんざんがん）

安山岩は火成岩に分類される岩石の一種で、特に火山の噴火によって形成された非アルカリ質の岩石です。ジオロジストにより、全岩中の二酸化ケイ素（SiO2）の含有量に基づいて分類されます。国際地質科学連合の分類においては、SiO2の含有量が52〜57重量パーセント（wt%）の場合は玄武岩質安山岩、57〜63wt%の場合は安山岩として定義されています。日本国内で広く用いられている分類は、都城・久城の体系に基づいており、SiO2が53〜62wt%のものを安山岩としています。

この岩は主に斜長石や色のついた鉱物である角閃石や輝石、磁鉄鉱などを含み、一部には黒雲母やかんらん石も見られます。特定の鉱物の含有によって、角閃石安山岩や輝石安山岩といった名前が付けられます。

特殊な安山岩の種類

安山岩の中にも特殊な種類が存在します。例えば、讃岐岩（サヌカイト）は黒色で斑晶が見られず、古銅輝石を含む特徴を持ち、主に瀬戸内海沿岸で採取されます。また、無人岩（ボニナイト）はガラス質で斜長石を含まない、特異な成分を持ち、小笠原諸島で見られます。さらに、熱水の影響を受け、緑色に変質した安山岩は以前はプロピライトと呼ばれていましたが、近年ではあまり使われない用語となっています。

成因と性質

安山岩はほとんどがプレートの沈みこみ帯で形成されたもので、トータルアルカリ量が高い阿波の値を持つことが稀です。また、安山岩はカルクアルカリ系列とソレアイト系列に分類され、カルクアルカリ系列はSiO2量が増加する一方で、ソレアイト系列はその増加が見られません。これらの研究は、安山岩の成因を解明する上で重要な手がかりとなっています。

近年の研究では、DefantとDrummondが提唱したアダカイトという概念や、高いストロンチウムとイットリウム比（Sr/Y比）を持つ岩石についてそもそも安山岩質マグマが直接生成されることが示唆されています。この議論は、安山岩の成因に対する理解を深めるものとなっています。

用途と加工

安山岩は、産地によって石垣や石壁として利用されるほか、砕石（砂利）としても広く使われています。また、特に珍しい石材として讃岐岩や鉄平石が存在しており、日本の銘石のひとつとして本小松石も有名です。これらは建材や装飾品としての利用もされています。

日本の火山落差によって、安山岩が主成分の火山島もいくつか存在しており、その中でも西之島が特に知られています。安山岩は主に大陸の岩石中で見つかる一方で、海底や火星、金星などではその割合は少ないことが知られています。したがって、安山岩は地球の地質学的研究において重要な役割を果たしています。

もう一度検索