東山梨郡

東山梨郡の概要

東山梨郡（ひがしやまなしぐん）は、かつて日本の山梨県に存在していた郡であり、1878年に設置されました。郡の範囲は、現在の山梨市や甲州市の大部分、そして笛吹市の一部に該当します。特に、甲州市においては勝沼町の一部地域（上岩崎、下岩崎、藤井、大和町の日影、田野、木賊）を除外した区域が含まれていました。

郡役所の設置

東山梨郡は、明治11年（1878年）12月に郡区町村編制法に基づいて設置され、初その郡長には加賀美嘉兵衛が任命されます。郡役所は、当初は平等村、現代の山梨市内にある正徳寺近くの根津嘉兵衛の自宅に設置されました。そして、翌年には新たに日下部村（現在の山梨市）に郡役所を移転させ、郡内の有志者から寄付金を集めて、その郡役所庁舎を建設したのです。

新庁舎は1885年に完成し、擬洋風のデザインを持つ建物はその後、日下部警察署としても使われました。郡制の廃止後も使用され続け、1962年には博物館[[明治村]]に移築され、1966年に国の重要文化財に指定されました。

歴史的な背景

東山梨郡が発足する前、地域の支配は田安藩による支配でしたが、明治時代の政府の行政改革により管轄が変わりました。具体的には、1868年の慶応4年に田安藩が設立され、その後、甲斐府や甲府県が設立されたことを受けて、最終的に山梨県が形成され、それからが郡の発展に繋がって行ったのです。

さらに、明治時代を通じて多くの村が合併し、郡の形状や構成も変化していきました。例えば、岡辺村は1889年に「岡部村」に改称されるなど、地域の自治体の姿が整えられていきます。

郡制とその後

郡制が施行されたのは1891年ですが、その後も地域の行政区分は変遷を続けました。1954年には松里村や大藤村、神金村が他の町と合併し、1956年には岡部村が石和町と合併して、郡としての機能は徐々に薄れていきました。そして、2005年には勝沼町と大和村が合併し、これをもって東山梨郡は正式に消滅しました。

最後に

現在は消滅した東山梨郡ですが、その地域には歴史や文化が豊かに残り、地域の名残を地元の人々は大切にしています。特に、郡役所に関連する建物や文化財はこの地域の歴史を物語っています。東山梨郡の歴史とおかれた背景を知ることは、山梨県全体の理解を深める一助となるでしょう。

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