東山駅 (奈良県)

東山駅（ひがしやまえき）

近畿日本鉄道（近鉄）生駒線上に位置する駅（駅番号：G22）で、奈良県生駒市東山町に所在します。この駅には「近畿大学奈良病院・菊美台住宅地」という副駅名が付与されています。

歴史

東山駅の起源は、1927年9月21日に信貴生駒電鉄の元山上口駅と南生駒駅の間に設けられた臨時駅「茸山駅（たけやまえき）」に遡ります。これは、秋の紅葉狩りやきのこ狩りに訪れる行楽客の便宜を図るために開設されたものでした。その後、沿線地域は大阪方面へのベッドタウンとして開発が進み、東山駅周辺でも新たな住宅地の造成が行われることになります。こうした背景を受け、茸山駅は1951年9月10日に臨時駅から常設駅へと昇格し、現在の駅名である「東山駅」に改称されました。1964年10月1日には、信貴生駒電鉄が近畿日本鉄道に吸収合併されたことにより、近鉄生駒線の駅となりました。

駅舎の移設は1993年に行われました。1月29日に、元山上口駅と萩の台駅間の線路短絡化工事の一環として、駅から東へおよそ60メートル移動しました。この移設に伴い、鉄骨平屋建ての新しい駅舎と、列車が相対する形で停車する2面のホームが整備されました。さらに同年3月17日には、当駅から萩の台駅までの区間が複線化されています。交通系ICカードについては、2007年4月1日よりPiTaPaの利用が可能となりました。近年では、2021年10月1日以降の時期に終日無人駅となっています。

駅構造

東山駅は、相対式ホーム2面2線を持つ橋上駅舎構造の駅です。ただし、駅が掘割という地形に立地しているため、駅舎への入口や改札口は地上の高さに設けられています。ホームの運用には特徴があり、2番のりばが上下線全ての列車の発着に原則として使用されます。一方、1番のりばは王寺駅方面の端が行き止まりとなっており、主に生駒駅と当駅を結ぶ区間列車専用のホームとなっています。このため、当駅で行き違い列車が発生することはありません。区間列車の運行がない時間帯は、安全確保のため1番のりばは閉鎖されています。構造的には、王寺駅方面のトンネル部分は将来的な複線化や列車交換設備の設置に対応できる設計で建設されています。

特徴と運用

かつては平日朝ラッシュ時の生駒駅方面からの列車の一部が当駅で折り返していました。2017年の台風21号によって勢野北口駅 - 竜田川駅間で発生した土砂崩れによる運休からの復旧後は、朝の時間帯に加えて夕方以降の一部列車も当駅で折り返し運転を行うようになっています。

駅は生駒駅によって管理されており、終日無人駅です。駅設備として、PiTaPaやICOCAに対応した自動改札機および、回数券カードへの対応やICカードへのチャージが可能な自動精算機が設置されています。運賃面では、生駒線において当駅から生駒駅方面の各駅では、大阪難波駅を経由する阪神電鉄線との連絡乗車券を購入できます。逆に、阪神電鉄線内で近鉄への連絡乗車券を購入する場合、目的地として指定できるのは当駅までとなっています。

利用状況

当駅の利用状況は、過去に近鉄不動産による宅地開発が行われる以前は、駅周辺に目立った施設が少なく、生駒線内でも特に利用客が少ない駅の一つでした。その後、周辺の宅地化に伴って利用者は増加しました。近年における1日の平均乗降人員は、3,000人台前半から後半で推移しています。

駅周辺

駅の副駅名にもなっている近畿大学奈良病院や菊美台住宅地が駅のすぐ近くに広がっています。その他の主な施設としては、天然温泉の音の花温泉、生活関連ではスーパーマーケットのプライスカット生駒東山店、ホームセンターのコメリ平群店、古書店チェーンのブックオフ東山店などがあります。また、駅の北側には平群北公園が整備されています。駅のそばには国道168号が通っています。

バス路線

東山駅からは複数のバス路線が運行されています。

エヌシーバス：近畿大学奈良病院行（菊美台四丁目経由）、緑ヶ丘循環など。
平群町コミュニティバス：上庄・平群駅・椹原方面へ向かう北ルート（長屋くん号）、福貴畑方面へ向かう西山間ルートが運行されています。

隣の駅

近畿日本鉄道 生駒線
萩の台駅 (G21) - 東山駅 (G22) - 元山上口駅 (G23)

関連項目

日本の鉄道駅一覧

外部リンク

駅の情報｜東山 - 近畿日本鉄道
* 奈良バスなびweb - 奈良交通

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