東座 (岐阜県)

東座（あずまざ）について

岐阜県加茂郡白川町にある東座は、地域の文化と伝統を支える重要な芝居小屋です。地元の人々に親しまれ、江戸時代から明治時代にかけて盛んに行われた地芝居や歌舞伎の舞台として、多くの歴史的な出来事が演じられてきました。

歴史と沿革

東座の歴史は1889年にさかのぼります。この年、舞台部分が完成し、こけら落とし公演が行われました。1900年には客席部分も整備され、500人以上の観客を収容できるようになりました。しかし、長い年月の中で老朽化が進み、1960年代には一時閉鎖を余儀なくされました。

その後、1985年から1990年にかけて修復作業が行われ、かつての輝きを取り戻しました。また、五世中村勘九郎が名誉館主に就任するなど、著名な役者たちとの関わりが続いています。2006年には十八代目中村勘三郎の襲名披露公演が行われ、連獅子の舞が披露されました。2013年には六代目中村勘九郎が名誉館主に就任し、今も地元の伝統を紡いでいます。

建築概要

木造2階建ての東座は、間口16.5m、奥行27.5mのサイズを誇ります。小規模ながらも、廻り舞台や花道を備え、客席は1階と2階に分かれ、総収容人数は600人です。日本風の舞台部分と洋風の客席部分という異なる建築様式が融合し、時代の移り変わりを感じさせます。

かつては歌舞伎やにわか芝居、映画などが上演されていましたが、現在でも毎年5月に地歌舞伎が上演され、地域の人々に愛される多様なイベントの場となっています。一般の発表会やコンサートなどにも使用されており、地域文化の発信地としての役割を果たしています。

交通アクセス

東座へ訪れる際は、JR高山本線の白川口駅から濃飛バス黒川線に乗車し、「鱒淵」バス停で下車することができます。周辺の自然に囲まれたこの場所は、訪れる人々にとってもリラックスしたひとときを提供してくれます。

岐阜県の芝居小屋

岐阜県は、地芝居が盛んな地域であり、江戸から昭和期にかけて建設された数多くの木造芝居小屋が現存しています。東座はその中でも特に重要な存在であり、他にも地域に点在する芝居小屋として鳳凰座や白雲座、蛭子座などがあります。

これらの芝居小屋は、地元の文化や芸能を伝える場として、今後もその役割を続けていくことでしょう。東座は、その歴史的背景と現代における活動を通じて、地域の人々に愛され続ける芝居小屋としての存在感を放ち続けています。

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