東急セキュリティ

東急セキュリティ株式会社（とうきゅうセキュリティ、英文名称: TOKYU SECURITY CO.,LTD.）は、大手私鉄グループである東急グループ傘下のセキュリティサービス専門企業です。東急線沿線エリアを中心に、一般家庭や企業、そして駅や車両といった公共スペースに至るまで、幅広い対象に向けた多様なセキュリティサービスを展開しています。

主要な事業

同社の活動の中でも特に人々の目に触れる機会が多いのが、東急各線の主要駅に配置されている「鉄道警備隊」です。鉄道警備隊は、駅構内やホーム、さらには車内において、安全確保のための巡回や立ち番（立哨）業務を行っています。また、駅のホームなどに設置されている非常通報用ボタンは、同社の指令センターと直結しており、ボタンが押された際には、駅員と連携して迅速に現場へ駆けつける体制が整えられています。乗降客への案内業務はもちろん、駅施設内や電車内で発生する様々なトラブルや緊急事態への対応も、彼らの重要な役割です。

多様なセキュリティサービス

鉄道関連の警備に加え、東急セキュリティは多岐にわたるセキュリティニーズに応えるサービスを提供しています。これには、戸建て住宅やマンション向けのホームセキュリティサービス、オフィスビルや商業施設などの法人向け警備、高齢者向けの安全確認サービス「シニアセキュリティ」、そして子供の登下校などをサポートする見守りサービス「エキッズ」といった、個人および家庭向けのサービスが含まれます。さらに、私鉄グループの一員である利点を活かし、交通系ICカードであるPASMOと連携した独自のセキュリティシステムも開発・提供しています。無料での防犯診断サービスや、防犯カメラシステムの提案・施工なども事業内容に含まれます。

沿革

東急セキュリティの現在の形に至るまでには、いくつかの組織再編の歴史があります。その源流は、1961年に設立された東急サービスや東急管財といった東急グループ内の事業会社にあります。2002年には、これらの事業の一部が統合され、東急ファシリティサービスが設立されました。その後、2004年10月1日には、東急ファシリティサービスのセキュリティ部門（特に機械警備事業）が分社化され、初代の東急セキュリティ株式会社が誕生します。そして、2010年4月1日、初代東急セキュリティと東急ファシリティサービスの双方の警備部門が統合されるという大規模な再編が行われました。具体的には、同年3月31日付で両社の警備部門が「TSサービス株式会社」に吸収合併され、翌4月1日付けでTSサービス株式会社が「東急セキュリティ株式会社」（現在の法人）に商号を変更するという手続きが取られました。この統合を経て、ホームセキュリティからビル警備、そして鉄道警備までを包括的に担う現在の事業体制が確立されました。2010年6月21日には、本社を渋谷区から世田谷区のキャロットタワーへ移転しています。

その他の情報

同社は、東急グループの共通ポイントサービスであるTOKYUポイントの加盟店でもあります。

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