東急2020系電車

東急2020系電車

東急2020系電車は、2018年3月28日に営業運転を開始した東急電鉄の通勤形電車です。本項では、田園都市線用の2020系、大井町線用の6020系、目黒線・東急新横浜線用の3020系について解説します。

概要

2020年の東京オリンピック開催と2022年の東急創立100周年を記念し、沿線の街や駅と調和する車両として導入されました。JR東日本E235系電車をベースにしており、総合車両製作所横浜事業所と新津事業所で製造されました。新津事業所での製造は東急電鉄の車両としては初の試みです。

車両概説

デザイン

多摩田園都市などの「街づくり」を起源とする東急電鉄らしさを意識し、丹青社が監修しました。沿線の街や駅との親和性を高め、利用者に親しみを持ってもらうとともに、新しい外観と車内空間を目指し、コンセプトカラーに「INCUBATION WHITE」を使用。先頭車前面から車体側面上部にかけて、導入線区の路線カラーが配色されています。

車体

総合車両製作所の軽量ステンレス車体ブランド「sustina（サスティナ）」を採用。「sustina S24シリーズ」として、車体長20メートルの4ドアステンレス車で製造されました。レーザー溶接の採用や骨組の軽量化により、アルミ車体と同等の軽量化を実現。外観の溶接痕を減らし、水密性を向上させています。オフセット衝突対策や前面衝突対策も施され、安全性が向上しています。

内装

東急沿線の風景をイメージした座席や照明など、車内全体のカラーコーディネートにこだわり、親しみやすさと心地よさを追求したデザインとなっています。座席表地には龍村美術織物製のものが使用されています。ハイバック仕様のロングシート、車椅子スペース、優先席、防犯カメラなどが設置されています。

乗務員室

前面ガラスの面積を広げ、視界を拡大。ワンハンドルマスコンを運転台中央に配置し、モニター装置で計器・表示灯類などの情報を集約しています。東京地下鉄（東京メトロ）・東武鉄道・西武鉄道との間で運転台共通化の協議を行い、相互乗り入れする各社が保有している車両との仕様共通化を図っています。

主要機器

主制御器は三菱電機製で、SiC-MOSFETとSiC-SBDを組み合わせたフルSiCパワーモジュールを用いたVVVFインバータ制御装置を搭載。主電動機は東芝製の全密閉外扇式三相かご形誘導電動機を採用しています。制動方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式で、INTEROSの編成ブレーキ力管理システムにより、省エネルギー運転と空気ブレーキの摩耗量低減を図っています。

2020系

8500系および東武スカイツリーライン乗り入れ非対応の8590系と2000系の置き換えを目的として導入されました。ラインカラーは緑。扉間の窓上部と妻引戸上部にデジタルサイネージが設置されています。

6020系

大井町線急行列車の輸送力増強を目的に導入されました。ラインカラーはオレンジ。大井町線で運用されている情報伝送装置による駅通過防止機能と臨時速度制限機能を有しています。一部車両には「Qシート」が組み込まれています。

3020系

目黒線の輸送力増強および東急新横浜線開業準備用として導入されました。ラインカラーは水色。ワンマン運転に対応しており、運転台には車上ITVを備えています。相模鉄道（相鉄）への乗り入れを見据えた工事が施されています。

車体装飾

各系列で様々なデザインのラッピング電車が運行されています。「SDGsトレイン 美しい時代へ号」や「東急グループ100周年トレイン」など、話題性のある装飾が施されています。


東急2020系電車は、最新技術とデザインを取り入れ、快適性と安全性を向上させた、東急電鉄の次世代を担う車両です。今後の活躍が期待されます。

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