東急6000系電車 (2代)

東急6000系電車

東急6000系電車は、2008年3月28日に東急電鉄によって営業運転を開始した通勤形電車です。この形式は、東急で6000系という名を持つ2代目の電車であり、一般的に「新6000系」とも呼ばれています。6000系の導入は、大井町線の輸送力増強を目的としたプロジェクトの一環として行われ、これにより急行列車が運行できるようになりました。

1. 概要

大井町線では1993年から田園都市線のバイパス機能を強化するために工事が進められ、6000系電車はこれに対応するために6両編成で運行する急行列車に充当されました。この車両は「人と環境に優しい車両」という設計方針に基づいて作られ、従来の5000系を基にしたデザインが採用されています。最初に導入されたのは6本の6両編成の電車で、運行開始からも高い評価を受けています。

2. 車両設計

6000系は5000系を基にし、内装がより洗練された構造を持っています。車体はオールステンレス製で、先頭車両の前面はFRP製であり、特徴的なくさび形のデザインが採用されています。

車体の色は、東急のコーポレートカラーである赤と、側面には大井町線のラインカラーである橙色が組み合わされています。また、車両の前面形状に準じたデザインのグラフィックが施され、速度感も演出しています。冷房装置も搭載されており、冬には暖房としても機能します。

3. 車内の特徴

車内のデザインにもユニバーサルデザインが取り入れられており、木目調の壁面とロングシートの座席が採用されています。座席の掛け幅は460mmで、手すりはカーブを描いて配置されています。また、荷棚も低く設計され、車椅子スペースは中間車の車端部に設けられています。

客室には優先席も設置されており、車内の電子情報表示装置もフルカラーLED式で、運行情報や駅の案内を表示することができます。

4. 走行機器の詳細

走行機器は5080系を参考に製造されており、主回路システムには東芝製のIGBT素子が用いられています。回生ブレーキと全電気ブレーキ機能を持ち、主電動機は三相誘導電動機で、性能の面でも優れたスペックを誇ります。

台車は5000系と同じ軸梁式ボルスタレス台車が使われ、騒音の低減や走行安定性の向上が図られています。これにより快適な車両運行が実現され、利用者の満足度が高まっています。

5. 今後の展開と変化

6000系は2017年度以降、さらなる輸送力の増強を目指して7両編成化が進められ、その後の運行においても変更・改善が行われています。また、2019年度からは特別な構造のQシートを導入するなど、乗客の快適性を高めるための取り組みが続けられています。

さらに、LED照明の導入や防犯カメラの取り付けなど、2021年度にかけて多くの室内設備が拡充されています。6000系電車は、今後も乗客のニーズに応え続ける車両としての役割を果たしています。

もう一度検索