東扇島出入口

概要

神奈川県川崎市川崎区、文字通り東扇島に設けられた「東扇島出入口」は、首都高速道路湾岸線が有する主要なインターチェンジの一つです。この出入口は、京浜工業地帯の一角を占め、物流拠点やエネルギー関連施設、そして市民のレクリエーション施設などが集まる東扇島地区と、広域的な高速道路ネットワークを結ぶ重要な結節点として機能しています。

構造と接続道路

東扇島出入口は、地上部に設けられており、ここから一般道路への接続が可能です。主に国道357号線へと接続しており、この国道を経由することで東扇島地区内の各施設や、さらにその先の一般道へと円滑にアクセスできるよう設計されています。地区内の主要道路網との連携により、島内の各方面へのアクセス性確保に大きく寄与しています。

特筆すべき機能：危険物積載車両の迂回路

この東扇島出入口の最も特筆すべき、そして重要な機能の一つは、特定の車両通行規制に対応する代替ルートとしての役割です。首都高速湾岸線は、この出入口の東側で川崎浮島ジャンクションへと向かう間に「川崎航路トンネル」という海底トンネルを経由します。海底トンネルは、構造上、事故発生時のリスクが高いため、消防法に定める危険物積載車両の通行が安全上の理由から厳しく規制されています。

したがって、危険物を積載した車両は、川崎航路トンネルを通過することができません。このような車両が東扇島地区へ出入りする場合、川崎航路トンネルを迂回するためのルートが必要となります。ここで東扇島出入口がその役割を担うことになります。危険物積載車両は、川崎航路トンネル手前のこの東扇島出入口を利用して高速道路から降りるか、あるいはこの出入口から高速道路に入ることで、規制区間を避けて通行することが可能となります。

特に、2012年時点での情報によれば、危険物積載車両が東扇島地区と高速道路の間で通行できる経路は、この東扇島出入口を経由し、かつ大黒ジャンクション方面との間に限られていました。これは、川崎航路トンネルの規制に加え、周辺の他の経路にも同様の規制が存在していたことによるものであり、東扇島出入口が危険物輸送における極めて限定された、しかし不可欠なアクセスポイントであったことを示しています。現在においても、危険物積載車両の通行に関する重要な出入口であることに変わりはありません。

隣接区間

首都高速湾岸線をこの東扇島出入口から東方向（東京・千葉方面）へ進むと、前述の川崎航路トンネルを経て、川崎浮島ジャンクションに至ります。川崎浮島ジャンクションでは、首都高速湾岸線と東京湾アクアライン（アクア連絡道）が接続しており、浮島出入口も併設されています。

一方、西方向（横浜方面）へ進むと、鶴見つばさ橋という美しい斜張橋を渡ります。橋を渡り終えると、大黒ジャンクションが現れます。大黒ジャンクションでは、首都高速湾岸線と首都高速神奈川5号大黒線が分岐・合流しており、大黒ふ頭出入口や大黒パーキングエリアも併設されています。

周辺施設

東扇島出入口の周辺には、この島が持つ多様な機能を示す様々な施設が存在します。電力供給を担うJERA 東扇島火力発電所、石油などの液体燃料を取り扱う東扇島オイルターミナルといった産業基盤施設が集積しています。また、市民向けの施設としては、展望台や各種設備を備えた川崎マリエン、広大な敷地を持つ東扇島東公園などがあり、レクリエーションの場としても利用されています。これらの施設へのアクセスに、東扇島出入口が広く利用されています。

まとめ

東扇島出入口は、神奈川県川崎市の東扇島地区への人や物の流れを支える重要な玄関口です。単なるアクセスポイントとしてだけでなく、川崎航路トンネルの通行規制がある危険物積載車両にとって代替ルートという、交通安全上も極めて重要な役割を担っています。物流、産業、レジャーといった東扇島の多面的な活動を支える、首都高速道路湾岸線における主要な施設の一つと言えるでしょう。

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