首都高速湾岸線

首都高速湾岸線



首都高速湾岸線（Bayshore Route）は、千葉県、東京都、神奈川県を東西に結ぶ首都高速道路の主要路線です。この路線は、国道357号と並行し、東京湾岸に沿って走ることから、「湾岸道路」とも呼ばれています。正式な路線名は「神奈川県道・東京都道・千葉県道294号高速湾岸線」で、首都高速道路株式会社によって管理されています。

概要



湾岸線は、東京湾環状道路の一部を構成し、首都圏の3環状9放射の高速道路計画において、都心に最も近い環状道路としての役割を担っています。路線番号の「B」は、英語名「Bay Shore Route」の頭文字に由来します。この路線は、東西方向の移動を考慮し、「上り・下り」ではなく「東行き・西行き」で区別されています。

東端は東関東自動車道に接続し、東京外環自動車道と分岐します。また、途中のジャンクションで、神奈川5号大黒線、湾岸分岐線、11号台場線（レインボーブリッジ）、10号晴海線、9号深川線、中央環状線など、多くの路線と接続しています。これにより、都心部の交通渋滞を回避し、成田空港や羽田空港へのアクセスを向上させるなど、その利便性は非常に高いと言えます。

特に、東京都道高速湾岸線区間（東京都・神奈川県境から江戸川区臨海町6丁目までの32km）は、1987年に「未来を走る虹の道」として日本の道100選に選ばれており、その景観の美しさが評価されています。

高速湾岸分岐線



湾岸分岐線は、1号羽田線の昭和島JCTから湾岸線の東海JCTに至る、全線が東京都大田区内にある4車線の路線です。この分岐線には出入口や休憩施設はなく、湾岸線と1号羽田線を繋ぐ役割を担っています。1983年に湾岸線から1号羽田線への連絡路として建設され、都心環状線を避けて東関東道や常磐道方面へ向かうルートとして利用されています。また、2015年の中央環状線全通後は、大井JCT経由で東名高速や中央道方面へのアクセスも提供しています。

出入口



湾岸線の出入口は、国道357号線と接続しており、南本牧ふ頭と浮島を除くすべての出入口で国道357号とアクセスできます。起点となる高谷JCTからではなく、終点の幸浦出入口から順番に記載しています。また、高速湾岸分岐線は全線が東京都大田区内に位置しています。

歴史



湾岸線は、東京湾岸道路の一部として、横須賀から富津に至る全長160kmの計画に基づいて建設されました。1976年に東京港トンネル部分が開通し、1994年には空港中央から大黒JCTまでが開通し、東京都内の全区間が開通しました。

年表



1976年：大井出入口 - 臨海副都心出入口開通、東京港トンネル開通
1978年：新木場出入口 - 浦安出入口開通
1980年：辰巳JCT - 新木場出入口開通
1981年：有明出入口 - 辰巳JCT開通
1982年：浦安出入口 - 高谷開通、東関東自動車道と接続
1983年：東海JCT - 大井出入口開通
1984年：臨海副都心出入口 - 有明出入口開通
1989年：本牧ふ頭出入口 - 大黒JCT開通、横浜ベイブリッジ開通
1989年：大井JCT新設
1993年：有明JCT新設、首都高速11号台場線（レインボーブリッジ）と接続
1993年：空港中央出入口 - 東海JCT開通
1994年：大黒JCT - 空港中央出入口開通、鶴見つばさ橋開通
1997年：浮島出入口開通
1997年：東京湾アクアラインと接続
1999年：並木・幸浦出入口 - 杉田出入口開通、横浜横須賀道路金沢支線と接続
1999年：三渓園仮出入口 - 本牧ふ頭出入口開通
2001年：舞浜入口開通
2001年：杉田出入口 - 三渓園出入口開通により全線開通
2007年：13号地出入口が臨海副都心出入口に名称変更
2008年：東行き有明JCT - 辰巳JCT4車線化
2009年：東雲JCT新設
2012年：大井南出口西行を300m手前に移設
2012年：大井PAを東行2.0km、西行0.6km手前に移設
2017年：南本牧ふ頭出入口供用開始
2018年：高谷JCTで東京外環自動車道と接続
2023年：横羽線の高速大師橋架け替え工事のため、湾岸分岐線昭和島JCT - 東海JCT間が通行止め

本牧ジャンクション改良



本牧JCTでは、以前は空港中央・大黒ふ頭方面と狩場線、幸浦・杉田方面との連絡はできましたが、狩場線と幸浦・杉田方面との連絡ができませんでした。この不便を解消するため、2004年に改良工事が行われ、狩場線と幸浦・杉田方面の相互連絡が可能になりました。ただし、本牧ふ頭出入口と狩場線の間は、現在も直接の連絡はできません。

路線状況



湾岸線は、道路構造令で第2種第1級に区分され、設計速度は80km/hとなっています。他の首都高速道路の路線と比較して直線区間が多いですが、カーブも多く、特に本牧JCT以南は急カーブが連続しています。また、海岸沿いを走るため、水底トンネルや橋が多く、高低差の大きい区間が多くあります。

湾岸線は、2012年1月1日まで、東京線と神奈川線の2つの料金区間があり、川崎浮島JCTが料金区界となっていました。現在は距離別料金制が採用されています。西行きの浮島料金所から横浜・大黒ふ頭方面は、オービスがなく、直線区間が長いため速度が出やすい区間です。そのため、湾岸族と呼ばれる違法競走型の暴走族が出没することがあり、大黒PAや辰巳PAなどでは、高速隊車両やパトカーが頻繁に巡回しています。

車線・最高[[速度]]



湾岸線の車線数は、一部区間を除き全線が6車線で構成されています。辰巳JCT - 葛西JCT間は8車線、本牧JCT出口 - 本牧JCT入口の本線は4車線区間となっています。東関東自動車道と合わせると、この6車線区間は成田ICまで106kmに及び、新東名高速道路の御殿場JCT - 浜松いなさJCTが6車線化されるまでは、日本の高速道路で最長の6車線区間でした。最高[[速度]]は80km/hですが、東京港トンネル周辺は70km/hに規制されています。

主なトンネルと橋



  • - 横浜ベイブリッジ（本牧JCT - 大黒JCT）
  • - 鶴見つばさ橋（大黒JCT - 東扇島出入口）
  • - 川崎航路トンネル（東扇島出入口 - 川崎浮島JCT）
  • - 多摩川トンネル（川崎浮島JCT - 湾岸環八出入口）
  • - 空港北トンネル（空港中央出入口 - 東海JCT）
  • - 東京港トンネル（大井出入口 - 臨海副都心出入口）


交通量



本線



24時間交通量は非常に多く、特に東京港トンネルを先頭とした渋滞が頻発しています。詳しい交通量は道路交通センサスのデータをご参照ください。

高速湾岸分岐線



高速湾岸分岐線の24時間交通量についても、道路交通センサスのデータをご参照ください。

渋滞



湾岸線は、線形が良く車線数も多いですが、交通量が非常に多く渋滞が頻発します。特に東京港トンネルを先頭とした渋滞は、両方向ともに発生しやすく、休日には東京湾アクアラインを先頭とする渋滞が湾岸線にまで伸びることがあります。また、東京ディズニーリゾートへ向かう車による渋滞も発生します。

所轄警察




地理



湾岸線は、首都高速道路の中で唯一千葉県内を通る路線です。東京臨海副都心などの近未来的な景観は人気があり、ドライブコースとしてもよく利用されています。沿線には、東京ディズニーリゾート、お台場エリア、羽田空港などのレジャースポットがあり、休日には多くの人々で賑わいます。湾岸線の発展と共に、周辺地域の重要性も高まっています。

通過する自治体




接続高速道路



湾岸線



  • - E16 横浜横須賀道路金沢支線
  • - 首都高速神奈川3号狩場線（本牧JCT）
  • - 首都高速神奈川5号大黒線（大黒JCT）
  • - 首都高速神奈川6号川崎線（川崎浮島JCT）
  • - CA 東京湾アクアライン（川崎浮島JCT）
  • - 首都高速湾岸分岐線（東海JCT）
  • - 首都高速1号羽田線（大井JCT）
  • - 首都高速中央環状線（大井JCT）
  • - 首都高速11号台場線（有明JCT）
  • - 首都高速10号晴海線（東雲JCT）
  • - 首都高速9号深川線（辰巳JCT）
  • - 首都高速中央環状線（葛西JCT）
  • - C3 東京外環自動車道（高谷JCT）
  • - E51 東関東自動車道（高谷JCT）

湾岸分岐線




沿線施設




関連情報



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