東新町 (名古屋市)

東新町（ひがししんちょう、とうしんちょう）

東新町は、愛知県名古屋市東区と中区にまたがる地名です。この地域は、名古屋市を代表する歓楽街の一つとして知られていましたが、現在ではその姿は大きく変わっています。公式には「ひがししんちょう」と読みますが、一般的には「とうしんちょう」という通称が広く使われています。

地理

東新町は、名古屋市東区の南西端に位置しています。東は東桜二丁目、西は西新町、南は中区、北は東桜一丁目に接しています。現在、この地域には中部電力本店ビルが建っているのみですが、広小路通と名古屋市道堀田高岳線（空港線）の交差点付近は、依然として「とうしんちょう」の名で親しまれる歓楽街としての雰囲気を残しています。

地下鉄東山線が錦通と空港線が交差する東新町北交差点の真下を通っていますが、この付近には駅は設置されていません。最寄りの駅は、やや北に離れた地下鉄桜通線の高岳駅となります。

歴史

地名の由来

東新町の歴史は、万治3年（1660年）に発生した名古屋城下町の大火（万治の大火）にまで遡ります。この大火で被災した蒲焼町（現在の錦三丁目付近）の武家屋敷の移転先として、新たに準備されたのが東新町でした。この地域が、移転先の東側に位置していたことから「東新町」と名付けられました。「とうしんちょう」という通称は、明治時代に入ってから使われるようになったと言われています。

「ひがししんちょう」と「とうしんちょう」

東新町の読み方は、名古屋市が正式に定めた「ひがししんちょう」と、一般的に使われる通称「とうしんちょう」の二つがあります。実際には、「とうしんちょう」の方が広く使われており、1973年の朝日新聞の記事では、行政側（東区役所・名古屋市交通局）も市民の便宜を図るために「とうしんちょう」を併用していると報じられています。一方で、中区側では「ひがししんまち」という読み方が用いられていたようです。

沿革

• - 万治3年以降：大火の被災者の移転先として東新町が成立。
• - 明治4年：一部が南新町として独立。
• - 1878年（明治11年）：名古屋区成立に伴い、同区東新町となる。
• - 1889年（明治22年）：名古屋市成立に伴い、同市東新町となる。
• - 1906年（明治39年）：西新町より淑徳高等女学校が当地に移転。
• - 1908年（明治41年）：東区成立に伴い、同区東新町となる。
• - 1914年（大正3年）：町域中心を貫く道路（現在の名古屋市道堀田高岳線）が拡幅され、名古屋電気鉄道（後の名古屋市交通局）の高岳線が開通。
• - 1944年（昭和19年）：栄区成立に伴い、同区東新町となる。
• - 1945年（昭和20年）：栄区廃止に伴い、中区東新町となる。
• - 1946年（昭和21年）：中区東新町の一部が、東区東新町となる。
• - 1962年（昭和37年）：東区東新町に中部電力本店ビルが竣工。
• - 1976年（昭和51年）：東区東新町の一部が、住居表示実施に伴い東区東桜一・二丁目に編入。中区東新町は中区東桜二丁目に編入され消滅。また、西新町の一部を編入。

その他

日本郵便

• - 郵便番号：461-0006（東区東新町）
• - 集配局：名古屋東郵便局

脚注

注釈

特になし

出典

WEBサイト等からの出典は確認できませんでした。

書籍

• - 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年。ISBN 4-04-001230-5。
• - 有限会社平凡社地方資料センター 編『日本歴史地名大系第23巻 愛知県の地名』平凡社、1981年。ISBN 978-4582490237。
• - 名古屋市計画局 編『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年。
• - “この町名 正式になんと読むの? 正しく読むのは市バスぐらい 役所も通称で扱う” (日本語). 朝日新聞. (1973年9月13日)

関連項目

• - 東新町入口
• - 東新町出口

外部リンク

• - ウィキメディア・コモンズ) には、東新町 (名古屋市)に関するカテゴリがあります。

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