東横浜駅

東横浜駅について

概要

東横浜駅（ひがしよこはまえき）は、神奈川県横浜市に位置していたかつての貨物駅であり、国鉄の東海道本線貨物支線に属していました。当駅は旅客営業は行っておらず、開業時から廃止まで、一貫して貨物専用駅として機能していました。隣接する桜木町駅の貨物取扱部分を分離し、1915年12月30日に運行を開始しました。駅周辺は横浜港の貨物取扱の重要な拠点となり、多くの物資がここを通じて運搬されていました。

駅の歴史

東横浜駅の歴史は、新橋 - 横浜間開通時の初代横浜駅にさかのぼります。この駅がスイッチバック形式で運行上の課題を抱えていたため、1915年には新しい通過式配線の駅に移転され、その際に旧横浜駅は桜木町駅に改名されました。その後、桜木町駅から分離されて東横浜駅が設立され、1930年代には貨物取扱が増加し、関東大震災の影響を受けながらも主要な役割を果たしました。

戦後の東横浜駅は、連合軍専用の列車が頻繁に発着する地点として使われ、兵站の拠点ともなりました。特に冷凍車両の配車拠点としても使用され、米軍による食料品の輸送に寄与していました。時代の移り変わりと共に、トラック輸送が普及し、鉄道による貨物輸送は次第に減少していきました。1962年には線路が単線化され、1979年には新設された横浜羽沢駅にその機能を譲り、東横浜駅は廃止されました。

駅の構造

駅は桜木町駅への高架線と大岡川に挟まれたエリアに存在し、敷地は東西約200メートル、南北約350メートルでした。1959年には5本の貨物ホームがあり、それぞれのプラットフォームは片側に線路が敷かれていました。駅の北東側には横浜港駅へ通じる線路も存在し、地域の物流に貢献していました。

現在の状況

現在、東横浜駅の跡地は桜木町駅前広場と交通広場として利用されており、周辺は新たな公共空間へと生まれ変わっています。かつての線路の一部は「汽車道」として整備され、散策路として地域住民や観光客に利用されています。東横浜駅をはじめ、横浜臨港線の他の貨物駅も次々に廃止され、2022年の段階で存続する貨物駅は東高島駅のみとなっています。

このように、東横浜駅は横浜市の交通史における重要な役割を果たし、過去の名残を現代に伝えています。

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