東横線ダービー

東横線ダービーとは

東横線ダービーは、かつてセントラル・リーグの東京ヤクルトスワローズと横浜ベイスターズ（現・横浜DeNAベイスターズ）の間で行われていた対戦企画の名称です。東横ダービーとも呼ばれていました。

企画の背景

この企画は、東急東横線および直通のみなとみらい線が、ヤクルトの本拠地である明治神宮野球場の最寄り駅（渋谷駅）と、横浜の本拠地である横浜スタジアムの最寄り駅（日本大通り駅）を結んでいることに着目したことがきっかけでした。ニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・メッツの本拠地が地下鉄で結ばれている「サブウェイ・シリーズ」のような、沿線を巻き込んだライバル対決を日本でも実現しようと、東急電鉄とヤクルト、横浜の両球団が共同で企画しました。

企画内容と結果

2007年に最初の試みとして、両チームの本拠地での主管試合で、東急の沿線情報誌「SALUS」の持参者に対する観戦チケットの招待や割引、誌上での両チームの選手による沿線のおすすめスポット紹介などが行われました。

しかし、実際の最寄り駅は、神宮球場が東京メトロ銀座線の外苑前駅であり、横浜スタジアムは根岸線・横浜市営地下鉄ブルーラインの関内駅、みなとみらい線の日本大通り駅でした。そのため、神宮球場へのアクセスにおいて東横線の利便性は高くなく、実際に東横線を利用するファンは多くありませんでした。結果として、「東横線ダービー」のプロモーションはあまり浸透しませんでした。

2012年にベイスターズの親会社がDeNAに変わって以降、この企画は行われなくなり、事実上消滅しました。

その後

2012年以降は、読売ジャイアンツを加えたセ・リーグ関東3球団による「セントラル・リーグ首都圏3球団合同企画 GSDB〜Get Stamp&DeKA Badge!」が行われ、東横線ダービーのキャンペーンは事実上こちらに移管されました。しかし、この企画も2015年以降は実施されておらず、東横線ダービーのキャンペーンは完全に消滅した形となっています。

2020年8月には、ニッポン放送の野球中継『ニッポン放送ショウアップナイター』内で、「巨人対阪神の『伝統の一戦』にあたるようなDeNA・ヤクルト戦のキャッチフレーズ」がTwitterで募集され、「東横シリーズ」という名称が放送内で使用されることになりました。

ホームスタジアム

両チームのホームスタジアムは以下の通りでした。

東京ヤクルトスワローズ：明治神宮野球場
横浜ベイスターズ（現・横浜DeNAベイスターズ）：横浜スタジアム


東横線ダービーは、沿線企業と球団が連携したユニークな試みでしたが、アクセス状況などの課題から、定着には至りませんでした。しかし、その発想は、地域とプロ野球チームを結びつける新たな可能性を示唆するものだったと言えるでしょう。

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