東武モニ1470形電車

東武モニ1470形電車についての詳細

東武モニ1470形電車は、かつて東武鉄道に在籍していた貨物輸送専門の電車です。この電車は1964年から1965年にかけて、もともとは旅客用のモハ1400形電車を改造して生まれました。モニ1470形の設立背景には、1964年からの32系電車の更新があり、客貨輸送が分かれつつある中で、荷物輸送の車両の不足が懸念されていました。この必要性から、モハ1400形全車が荷物電車、すなわち荷電として改造されたのです。また、本記事では、モニ1470形と同じく改造されたモユニ1490形電車及びモユニ1190形電車についても触れます。

モハ1400形の概要

モハ1400形は1951年に実施された大改番を経て登場した電車であり、大正14年系デハ101形および昭和2年から4年製のデハ105形を統合した結果、誕生しました。モハ1400形は半鋼製車体を持ち、旧デハ101形のモデルは非貫通前面、片側に3扉の窓配置を特徴としていました。一方、デハ105形のモデルは貫通扉を持つ異なる形状の前面を持ち、乗務員扉の配置や客用扉の数も異なるため、統一感に欠けていました。しかし、その主要機器はすべて同一で、日立製作所製の主電動機やM三動弁を使用した自動空気ブレーキを搭載していました。

荷電化改造

1964年から1966年にかけて行われたモハ1400形の荷電化改造は、輸送の効率を高めるための重要なステップでした。当初の客専用車両から荷物専用に改造され、伊勢崎線や日光線に配属されました。この改造により、モニ及びモユニ系列の電車は荷物や郵便物の輸送を担うこととなりました。

モユニ1190形

モユニ1190形は、モハ1110形を基に1955年に改造され、郵便物の整理棚を設置したものです。この電車も荷物輸送の分野で重要な役割を果たしましたが、積極的に改造が進められた結果、外観が変化し、郵便物の扱いに特化した車両となりました。

モニ1470形の詳細

モニ1470形は、特に荷物専用に改造されたモハ1400形の一部であり、当初の機器状態を保持しつつも大規模な再改造が実施されました。外装の改修や運転室の拡大が行われ、荷物の積卸しを容易にするための設計変更がされました。

モユニ1490形

モユニ1490形は、旧デハ105形を基に荷物と郵便物を併せて扱う車両として1966年に完成しました。この電車も他の荷物電車同様、改造により外装を一新し、機能性が向上しました。

荷電化改造後の展開

荷電化改造後、モニ1470形は急速に貨物輸送の主力車両となりましたが、宅配便の普及などにより徐々に需要が低下。最終的には1977年に全面廃止され、残っていた車両も解体処分される運命を迎えました。一部の車両は保存を目的とした譲渡がなされたものの、活用されることなく廃車となったものもありました。

最後の運用

荷物専用車両として最後まで残っていたモニ1473は、入換車に転用され、工場内で使用されていました。だが、部品の供給が困難になる中、2004年に運用が終了し、解体されることになりました。これにより、戦前から続く東武鉄道の歴史的な車両がその姿を消しました。

このように、東武モニ1470形電車は多様な改造を経ながら時代のニーズに応じた役割を果たし、最終的には鉄道史の一部となりました。

もう一度検索